第3話 新生活

「あ、そうだ。私を貴方の家に住ませてくれない?」


「…は?」




「……へぇ、ここが…随分と狭いのね。」


「僕は一人暮らしですし、あまりいい物件はなかったんですから仕方ないじゃないですか。金もないし。」


何故こうなった。

カフェでチーズケーキを食べたら満足して帰るかと思いきやまさかの住む宣言。どうやら帰る家がないらしい。女性と男性が一緒に住むなんて頭がどうかしているが、強制的に一緒に住むことになってしまった。

女性は部屋をうろちょろしてるが、正直迷惑でしかない。

長原さんに呼び出されて会社に戻らなければよかったか。


「ねぇ、聞き忘れてたんだけど、貴方の名前は?」


「僕ですか…?僕は矢田です。貴方は?」


「私は八雲佐江やくもさえ。歳は27歳。よろしくね?」


「…はぁ」


こうして、八雲さんと僕の始まってほしくもなかった新生活が始まったのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君を救う1ヶ月 月夜野 @tukiyona

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ