第8話思いがけないテンカイ
高校生活も残り一年、私は受験生となった。
充のいうAランクの大学にはほど遠い成績だし、そもそもそんな条件を突き立てられて勉強する気なんて全く湧かずバイトも今まで通りに続ける事にした。美穂ちゃんは専門学校に進むそうだ。
悟くんは・・・今年も全滅で、もう一年浪人生活を送らなければならなくなってしまった・・・
いつもの様にバイトが終わり、ファミレスで隆哉と美穂ちゃんと三人で話していた時、
「あっちゃん大学受けるんだよねー?」と
美穂ちゃんに聞かれた。
「うん。一応そのつもりなんだけどねー。」
「なんの勉強したいの?」
「うーん。獣医学部に行きたいんだけど、私ひとりっ子だから親が家から通えるところで。って条件出してきて・・・諦めモード。」
そもそも獣医学部は数が少ない上、家から通える獣医学部という縛りが入ると一校しかない。しかもAランクの大学だ。
「あっちゃん本当に動物好きなんだー♪お家にもワンちゃんいたもんねー。」
「そうだね。元々うちの両親が無類の動物好きで生まれた時からペットが途絶えたことなくてねー。当たり前のようにそばに居る存在なんだよー。」
「じゃあ、充くんに勉強教えてもらえば?」
-おい!私と充の状況知ってるだろ・・・
「いや、みっちゃんそもそも文系だし、たぶんその状況喧嘩になって勉強になんないと思うよ。」
「あー、そだよねー・・・」名案だと思った発言がただの天然発言だと気付いたようで、美穂ちゃんは‘ペチッ’と自分のおデコを叩く。
二人でクスクスと笑っていると、
今まで何も言わず私達の話を聞いていた隆哉がコーヒーを飲みながらボソッとつぶやく、
「俺でよかったら教えるけど?」
「ホントに?!」
「そのかわり、理数しかムリだけど、それで良ければ」
「それで良ければって、それが一番助かる!よっしーありがとう。」
「まー、ちゃんと教えられるほどの引き出しがあるかはわからんけどね。」
「いやいや、地獄に仏って感じ。よろしくお願いします。」
隆哉に勉強を教えてもらう事になり
とても嬉しくて浮かれてた・・・その時は
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