第6話充というニンゲン

私が別れない選択をした事で、充を調子づかせた様だ。今までとは違いとても横柄な態度をとるようになった。

移り気な性格と浮気症にも拍車がかかった。

にもかかわらず、私の事を束縛する様になり、私の友達関係にも口出ししてくる。


実を言うと、充と隆哉、悟くんと慎ちゃんは高校生クイズとかでも常連のトップクラスの高校出身で、今の時代では考えられない男尊女卑の考えを根強く持っている学校だった。


女は男の言う事を聞いておけばいい。

黙って俺に着いてこい。的な?

今考えればナンセンス極まりない事を口走っていた(笑)


充の場合、そういう考え方は学校だけでなく

両親からも受け継いだのだろう。

愛人の息子がバイトに来るような家庭である、世間の大半の人には理解できない事が、ここの家族には普通なのだ。


以前、家族旅行に愛人を同行させ、

母•父•愛人の順で川の字で寝ていた。

と、悟くんから聞いた事がある。


ここまでくると呆れるを通り越し笑える。


もう一つ、ここの家族の特徴として

学歴第一主義である。


どれだけ性格が歪んでいようが、

どれだけ非常識な行いをしようが、

学歴が良ければ許される。


性格が悪くて非常識な高学歴と

性格が良くて常識のあるバカなら


迷わず、性格の悪い非常識な高学歴を選ぶ。


実際、「温子が国公立もしくは有名私立に行けなかったら、どれだけ好きでも別れるから今から受験勉強しろよ!」と言われたことがある。


こんな理不尽な命令されると

逆らいたくなるのが人の性である・・・・・・


というか、ここ最近の充の傍若無人な振る舞いでケンカも絶えず

『好き』という気持ちは失せ、

寧ろ『嫌い』に近い感覚になってはいたが、

この生活が一変するのがイヤだし、

自分は好き勝手するのに私を束縛し、

離れさせてくれない充に逆らうのも面倒臭くて逆らわないでしばらくは言う事を聞いておくことにした。








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