第3話温泉のヨル

バイトを始めて数ヶ月。

みんな夏休みという事でバイト以外の時間も一緒に過ごすことが多くなり、

悟くんの提案でお店の定休日に隣県の温泉に一泊旅行に出掛ける事になった。


「お!家族風呂の予約できるって!俺らみんな家族みたいなもんだし予約しとく?」

悟くんがはしゃぎ出した。

「いいねー!旅の恥はかき捨て!って事で温子と美穂ちゃんも一緒にねー。」

充が乗っかり私と美穂ちゃんの反応を見る。

顔を赤らめ「無理。絶対無理ですよー。」と

両手をブンブンと振る美穂ちゃん。

「あっちゃんは大丈夫だよねー?アニキも居るしー」悟くんがニヤニヤしながら近づいてくる。

「却下!家族風呂入りたかったらオトコ四人で入りなよ。」

こういう時、美穂ちゃんみたいな可愛い反応が出来たらな。と思うけど、どうしても可愛げのない反応をしてしまう。

「つまんねー!隆哉さんも慎も六人で入りたかったっすよねー。」悟くんが同意を求める。

「バカな事ばっか言ってんなよ。彼女達も困ってるだろ。」慎ちゃんはいつもの様に冷静に返す。

「出たよ。慎ちゃんの優等生解答。隆哉さんはそんな野暮な事言わないっすよね?」

「俺、子供に興味ないから」

隆哉は相変わらずな物言いだが、最近なんとなく分かってきた。悪意はなく感情表現が不器用な人なんだと。


外湯巡りをしたり、射的やスマートボールなど温泉街を満喫した。

また、調子に乗った悟くんが「ストリップ劇場行こうぜー!」と言い出し美穂ちゃんを困らせて楽しんでいた。


みんなが遊び疲れ寝静まった頃、

充が私のカラダをまさぐり始めた。

「ちょ、誰か起きてたらどうすんのよ。」

「みんな寝てるって」と更に迫ってくる充からからだを捩り逃げようとすると

「じゃあ、散歩にでも出るか。」と

充に腕を取られ連れ出された。


非常階段に連れていかれ、強引にカラダをまさぐられキスで唇を塞がれる。

「ん、んふぅ」


-こんな場所で誰かに見られたら・・・


そう思いながらもお互い絶頂に達した。


隆哉に全てを見られていた事に気付きもせずに。






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