第2話感じの悪いアイツ

「初めまして。中野温子です。よろしくお願いします。」

「あー、初めまして。吉本隆哉です。」

彼氏、田中充を挟んで初めて交わした言葉である。


「よっしー、この子が俺の彼女の温子。高一 な。」私の肩を抱き充が隆哉に紹介する。

「あー。」気のない返事が返ってくる。

「で、コイツが俺の高校のツレのよっしー。」

「みっくんからいつも話聞いてますよー。仲良くしてくださいね。」微笑みながら手を差出す私をスルーするかの様に

「よろしく。」と隆哉は立ち去ってしまう。


-何?感じ悪い・・・


「よっしーって人見知り激しいから気にすんなな。」と、充は言うけど


-ホント感じ悪い・・・あんな人と仲良くできる気がしませんけど・・・


----------------------------------------------------------


バイト先には他に

充の弟の悟くん(高三)と悟くんの友達の慎ちゃんと私と同い年の美穂ちゃんが居た。


悟くんはいわゆるムードメーカー的存在で

明るく楽しい人だが少し軽い感じがする。

慎ちゃんは悟くんの友達とは思えないくらい真面目で頭の回転が速い人で話してて楽しい。

美穂ちゃんは小動物みたいに可愛らしく天然系で体格も含めて私とは正反対の女の子だがやけに気があった。


バイトはそこそこ忙しく大変だったが

アットホームな雰囲気で大好きな充が居て、同世代の楽しい仲間が居て、なんだか楽しいバイト生活が送れそうな気がする。


「おつかれっしたー!」

悟くんの一声でバイトが終わる。

みんな笑顔で「お疲れ様でした!」

「おつかれー。」と言葉を交わす。

隆哉も笑顔で「お疲れ様です。」と・・・


-ん??今、私の事真顔でスルーしたよね?


楽しいバイト生活が送れそうな気がする?


この感じの悪い人と今後どう関わっていけばいいかという問題を除けば・・・





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る