第7話 after end...(2)

「ということで、祝!ブラックバッツ撃破おめでとう!カンパーイ!」



隼人のテンションは最高潮に至っており、僕はそのテンションについていくのが疲れもあり、やっとだった。



しばらくそのまま飲んでご飯を食べてひたすら話しているが、剛大との直接的な会話はなく、間に隼人を挟んだ間接的な会話が続いた。



「ちょっとトイレってくる」隼人は立ち上がり、宣言するとトイレの方へ消えていった。残された僕らに少々気まずい雰囲気が流れたが剛大が口を開いた。



「氷太、ごめん。」



僕は唐突な謝罪に反応できず、無反応を示した。その態度が剛大にどう映ったかは僕には分からない。



「お前の気持ちを考えずに傷つける事を言っちまった…」



どんどん尻つぼみになる言葉に僕は言葉を挟んだ。



「違う、謝るのは僕の方だ。自分の実力が足りないのを指摘されて怒って、俺も剛大を傷付ける事を言った。ごめん!」



「お前ら、なに恥ずかしい事してんの?」急に隼人が帰ってきたと同時に間に割り込む。



「ま、今仲直りって事でいいんだろ?」



「え」僕が隼人の言葉に動揺していると剛大と目が合った。なんか今までの事がどうでもよくなるような感じがした。



「まあ、そうかな」「だな」



2人して吹き出して笑いながらその後、互いの空いてしまった間を埋めるかのような話をたくさんした。



 気づけば2時間近く話し込んでいたがお店に追い出される形で店を出た。



外に出るといつもは寒いだけの夜風がお酒の影響もあると思うが胸を突き抜けるように気持ちよく感じた。



そのまま2軒目に行くか話したが、どうせまたすぐ会うという事で解散となった。そのまま駅で隼人と剛大と別れ、帰路に就く。



電車の中で座席に腰を据えると疲れがあったせいなのかすぐ眠りについた。目的の駅の1駅前を通過した時に起き、駅に到着してから降りて家へと歩いた。



 次の日、家のチャイムで起こされた僕は玄関へ向かった。でも、いつも来るのは剛大ばかりだから多分今回も剛大だろうと思った。



まぁここ最近来てはいなかったのだけれども。時間はもうとっくに昼を過ぎていた。



玄関を開けると息切れした隼人がいた。



「え、隼人どうしたの?」



「どうしたのじゃねぇよ!お前携帯全然でねぇし呼びに来たんだ。」



「携帯?あ、充電切れてる。」



パジャマのポケットに入っている携帯を確認すると画面は真っ暗で電源ボタンを押しても反応しなかった。



「とにかく急いで!すぐ着替えて付いてきて」



「ち、ちょっと待ってよ!?」



「早く!」



急かされるまま着替え家を出ると近くにタクシーが止まっていた。電車ではなくタクシーだなんてそんなに急いでいるのだろうか。



須佐すさ病院へ急いでお願いします。」と隼人はここから20分ぐらいの所にある病院を指定した。



「病院ってなんで」



「氷太、落ち着いて聞いてくれ。宮川が交通事故で病院へ運ばれた。」



「え…」



急な話に遠い場所に突き飛ばされた様な喪失感がやってきた。

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