第12話 12時間の睡眠



 あれ誰もいない。

 僕は仮眠室から起き上がると、暗いままの事務所に不審がった。

 けれど時計を見るとAM4:20だった。

 ああ、誰もいないはずだ。

 すっかり寝てしまったみたいだ。

 記憶は昨日の午後二時までしか党えていない。

 眠ったのはそれ以降だろうな。

 それにしても応接室のソファーの上で記憶が途絶えたのだけど、僕は知らぬ間に仮眠室まで歩いていったようだった。

 本当に忙しかったからな記憶が少しだけ無くなってしまったのかな。

 そう苦笑する。

 それに事務所に有るはずの何百枚という書類も綺麗に消えていた。

 プリントアウトする為に右クリックを押したのだけは微かに党えているのだけど……。

 だとすれば静柰さんが回収していったのだろうか。

 良くはわからない。

 それにしても此所一週間は調査に明け暮れ最期の二日は調査のまとめと入力で徹夜だったから仕方ないか。

 それにしてもよく寝た。

 ともかく12時間以上か……。

 まあ、静柰さんの手に渡ったのなら問題ないかな。

 取りあえず携帯に電話してみるけど、静柰さんの携帯は電源が入ってないや。

 もう帰ろう。

 そう僕は欠伸を噛み締めながら施錠すると朝日が昇る前に事務所を後にした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る