『夢を叶える勉強法』
ぜひ買いたいとおもって購入したのは、『夢を叶える勉強法』著:鈴木光である。
ある日、一般的な会社員である僕が目を覚ますと、ゾウの格好をした不思議な怪物――ガネーシャという名の神様が関西弁でべらべらとしゃべり始め、自分を変えるための技を教えてもらう契約を交わし、まるめ込まれながら課題をこなして変わっていく『夢をかなえるゾウ』について、あーでもないこーでもないと、心ゆくまで世界を楽しむ物語……とは違う。
TBS系クイズ番組「東大王」を視聴されてきた方なら御存知のとおり、二〇一七年から二〇二一年三月までクイズプレイヤーとして活躍後、渉外弁護士を目指し、大学卒業を以てクイズプレイヤーと芸能界を引退した鈴木光、初の著書であり、効率的な勉強法を解説した一冊である。
登場からずっと見てきたので、彼女の凄さの片鱗に驚嘆したのをおぼえている。
英語の発音がいい、勉強のできる美人な女子大生が、伊沢拓司をはじめとするクイズプレイヤーたちと共に切磋琢磨し、ずば抜けた知識を発揮して東大王のクイズプレイヤーと活躍し、ついには早押しで彼らを凌駕するまでに成長したのだ。
現役受験生のみならず、彼女を応援してきた人達は、その勉強法をしりたいとおもうのはごく自然なことだとおもう。わたしも、その一人だった。なので書籍がでるのを心待ちにしていたのである。
本書は、「弁護士になる」夢を叶えるため、東大入試や司法試験予備試験を突破した彼女が、自身の勉強方法を整理し、まとめられたものだ。
具体的には、効率的な勉強を実践する方法として「勉強目標、計画の立て方」「問題を解くための考え方を身につける方法」「暗記の仕方」「勉強する環境の整え方」「勉強計画の確認や修正方法」「科目別の攻略方法」が丁寧に解説され、さいごに勉強以外の学びについてまとめられている。
学校の勉強や受験のためはもちろんのこと、資格を取得しなければならない場合、多言語を習得する必要のある場合、就職、転職にむけての資格取得のためなど、勉強は一生つきまとう。
大人になれば勉強から解放される、なんてことはない。
つねに、死ぬまで「学びの連続」である。
だからこそ、年齢を重ねる度に、以前のように頭に入ってこないと悩むこともあるだろう。
そんな時に本書を読むと、効率的な勉強計画の立て方や勉強方法が役に立つ。
闇雲にはじめてみたが、その後はさっぱりふるわず、勉強が進まなかったという経験のある人にはもってこいの一冊なのだ。
なぜならば、本書は「一生懸命勉強をがんばっているみなさんの役に立ちたいと考えた」のが、彼女が本書を書こうと思ったきっかけだからだ。
得てして人は、日々の中で「あんなに頑張ったのにダメだった」と思い嘆くことはよくあっても、目に見えて努力が報われたと実感できることはすくない。
だが、小テストならばどうだろう。
五点十点と、小さな点数を取ることで「頑張れば報われる」という経験が積み重なり、努力すればできる自分を信じられるようになり、勉強という分野を超えて自分の人生を支えてくれるようになる、と彼女ははじめに書いている。
勉強をはじめるにあたって、二つのポイントが書かれている。
①ちょっとした楽しみを見つけること。
②短期的な目標からはじめて達成したら少しずつ引き上げていくこと。
これは勉強に限ったことではない。
仕事や日々の生活、なにかをするにあたって重要なポイントなのだ。
もちろん、お話を作る場合も当てはまる。
誰が、なにかをする姿を描いた物語なのか。
なぜそうなるのか。
スタートの状況を設定する。
一番目の設定した物語の理由をつけ、ゴールにむけてどこからはじめるのかを決める。それから起承転結や序破急、三部構成などを考えていく。
お話づくりが当てはまるというより、創作が、勉強のやり方と同じなのである。
これは使えそうだ、と思った部分だけでも取り入れて活用するには、良い書籍です。なぜなら、お話づくりだけでなく勉強するのに用いるには最適なのだから。
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