『都立高校独立国〈上〉』
とはいえ、である。
この流れでトトロやナウシカなどの小説は買わなかった。
アニメージュ文庫で他に買った覚えがあるのは、『都立高校独立国〈上〉』著: 首藤 剛志である。
上・下ではなく、上だけである。
首藤剛志といえば御存知のとおり、小説家であり脚本家でもある。
ロケット団でお馴染みの「なんだかんだと聞かれたら~」を考えた人である。
一九六九年、一九歳でテレビ時代劇『大江戸捜査網』の第四十五話で脚本家デビュー。
『ポケットモンスター』をはじめ、『宇宙戦士バルディオス』『戦国魔神ゴーショーグン』『銀河英雄伝説』や『機動戦艦ナデシコ』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『超くせになりそう』『獣装機攻ダンクーガノヴァ』などなど関わったアニメ作品は多い。
劇場版アニメでは、『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』や『劇場版ポケットモンスターシリーズ』の脚本を手掛けている。
みなさんもよく知る、『ミュウツーの逆襲』『幻のポケモン ルギア爆誕』『結晶塔の帝王 ENTEI(※園田英樹と共同脚本)』『キミにきめた!(※一部脚本)』『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』である。
そんな彼は、小説もいくつか手掛けている。
『永遠のフィレーナ』『戦国魔神ゴーショーグン シリーズ』『バース または子どもの遊び』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『ポケットモンスター The Animationシリーズ』だってあるじゃないか、という声も聞こえそうだ。
それなのになぜ、『都立高校独立国』なのか。
ラジオドラマを聞いたからである。
本を買ってもらえず、アニメも見るなという環境にいると、手を伸ばせるところが限られてくる。
当時、テレビ音声を受信できるラジカセが家にあった。
ラジオを聞く感覚で、アニメや特撮、ドラマなどを聴きながら勉強をしていた。
勉強しているときに画面をみてられないし、作業BGMとしては最適。
そのうちラジオも聞くようになり、ラジオドラマの存在を知る。
小説をラジオドラマで放送していたし、いまもNHKオーディオドラマ『青春アドベンチャー』は放送されている。
その中で、『都立高校独立国』が放送されていたのだ。
ラジオドラマを聴いてから歳月が経ち、ブックオフではない古本屋で見つけたのが、『都立高校独立国〈上〉』である。
そのうち下巻も買えたらいいな、と思いながら歳月だけが経って今に至る。
小説では最後、日本から独立してしまうのだ。
荒唐無稽ながら、実際に独立するにはどうしたらいいのかが考えられて書かれていた。こういうことも小説にしていいんだと教えてくれた作品だった。
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