『愛蔵版 アルケミスト』
児童文学ではない外国の作家で覚えがあるのは、『愛蔵版 アルケミスト』著: パウロ・コエーリョである。
愛蔵版、であるのが重要である。
この装丁のすばらしさ。
手にとったときのしっくりした感じ。
文庫本にはない風合い。
贈り物にも最適である。
羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。
「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」少年は錬金術師の導きと、さまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んでいく。
世界中の人々の人生に大きな影響を与えてきた夢と勇気の物語である。
主な著書に『星の巡礼』や『ピエドラ川のほとりで私は泣いた』、『第五の山』や『ベロニカは死ぬことにした』などなど。
なぜこの本かと問われたら、彼の作品で最初に手にとったのが『アルケミスト』だったから。
アニメ『鋼の錬金術師』の前に読んだので、むしろこの小説のあとに漫画の『鋼の錬金術師』を手にした覚えがある。
言葉自体、読む前から知っていたのでどういう意味なのかと思いあぐねることはなかった。
この本には教訓がある。
名言もある。
いくつかあるけれど、一つ取り上げるとするなら次の文言かもしれない。
「お前が知らなければならないのは、こうだ。夢が実現する前に、大いなる夢はお前が途中で学んだすべてのことをテストする。それは悪意からではなく、夢の実現に加えて、夢に向かう途中で学んだレッスンを、お前が自分のものにできるようにするためだ。ここで、ほとんどの人が諦めてしまう。これは我々が砂漠の言葉で、『人は地平線にヤシの木が見えた時、渇して死ぬ』と言っている段階なのだ」
生きていると、何かに試されているような瞬間がある。
きっと誰にもかならず訪れる。
振り返れば、あれがそうだったと思える時がある。
できるなら、その瞬間に気づいて挑まなくてはならない。
往々にして気づくのが遅れてやり直したいという気持ちがある人が、異世界転生ものを読み書きするのかどうかはわからない。
わからないけれど、わたしたちは過去にも未来にも生きていない。
今この瞬間だけに興味を持って生きている。
今に集中しているとき、人は幸せと感じられるのかもしれない。
高説を垂れておきながらなんですが、この本はもちろん、借りて読んだ。(後に購入)
作品作り云々よりも、人生の肥やしになる作品である。
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