『小説 天空の城ラピュタ〈前篇・後篇〉』

 ライトノベルを最初に読んだとして覚えているものは、アニメージュ文庫の『小説 天空の城ラピュタ〈前篇・後篇〉』 である。


 はたしてこれをラノベに入れていいのか、の議論は放置する。

 なぜラピュタだったのか。

 テレビの、「金曜なんちゃらショー」で見たからに他ならない。

 更に付け足すと、毎年のように放送していたにもかかわらず、まともにみたことがなかった。

 アニメを見てはいけない、という親だった。

 録画したらいいのだけれど、録画しても見る時間が作れなかった。

 なので当時、親が入浴している間にこっそりみる、ということをしていた。

 毎回、タイガーモス号が嵐を抜け、操縦席にいるドーラが窓越しに見上げながら「 竜の巣だぁ……」と言葉を漏らし、「竜の巣? これが!」電話を通じて聞いていたパズーがつぶやくところから始まって、龍の巣の中にラピュタがあると叫び、低気圧の化物のなかへ飛行していく最中、父親の幻影をパズーは見るシーンだけをみていた。

 CMでよく切られるし、おまけにCMが長い。

 ここのシーンだけを、三回は見た記憶がある。

 なので、長いことラピュタの話はよくわかっていなかった。

 この子達はなにをしているのかしらん。

 興味だけが膨らみ、手を出したのがアニメージュ編集の ジ・アート・シリーズ (7)『The art of Laputa』である。

 本作品も視聴する前に購入した。

 あまり見てしまうと、映像を見た時の楽しみが減ると思いつつも、でっかい本のページを捲った。

 最初から最後まで視聴したのはいつだっただろう。

 ようやく全部見終えたとき「こういう話だったのね」と納得いった。

 その流れでサントラを買い、フィルムコミックを買い、「飛行石ほしい~」とか言ってた気がする。

 誰もがやられたであろう、夏になると現れる大きな積乱雲をみるたびに「あの中にラピュタが……」ということも呟いた。

 ほんと影響されやすかった。

 小説版のラピュタを買ったのは、それからかなりあとになってから。

 小説があるとは知らなかったのである。

 ブックオフではない古本屋で見つけて購入。

 挿絵がたくさんあったし、その後も少し書かれてあった。


 ファンタジー作品を書くとき、誰しも一度は必ず参考にしてしまう作品だ。

 

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