あの頃読んでいた物たち

『ミルキー杉山のあなたも名探偵シリーズ』

　ミステリーものと言えば言わずもがな、「ミルキー杉山のあなたも名探偵シリーズ」著：杉山 亮 、絵：中川 大輔、出版社：偕成社である。

　いやいやいや～、チョット待って。

　ミステリー小説といったら「シャーロック・ホームズシリーズ」著：コナン・ドイル、「名探偵ポワロシリーズ」著：アガサ・クリスティー、「金田一耕助ファイルシリーズ」著：横溝正史、「十津川警部シリーズ」著：西村京太郎、「キャサリンシリーズ」著：山村美紗、「三毛猫ホームズシリーズ」著：赤川次郎、「百鬼夜行シリーズ」著：京極夏彦、「館シリーズ」著：綾辻行人、「国名シリーズ」著：有栖川有栖、「虚構推理シリーズ」著：城平京、「忘却探偵シリーズ」著：西尾維新、「古典部シリーズ」著：米澤穂信などなどシリーズ物はいっぱいあるじゃないかとおっしゃられるかもしれない。

　ほかにも数え上げたらきりがないに違いない。

　そこをあえて「ミルキー杉山のあなたも名探偵シリーズ」を取り上げる。

　なぜなら探偵もので挿絵も多く、「事件編」と「解決編」にわかれた構成で、ミルキー杉山がさまざまな事件を解決するのを読みながら読者が犯人を推理できる『参加型児童書』だからだ。

　主人公ミルキー杉山は、保父として勤めていたときアメリカの映画で見た探偵に憧れて仕事をやめて探偵になったが、仕事はなくてアルバイトに明け暮れている。保育士をしている妻たつ子とは、現在訳合って別居中。ともこ、たかしを育てる二児の父親である。

　ミルキーよりも、妻たつ子の方が鋭く賢いので、事件をあっという間に解決してしまう。なので、困ったときは奥さんに相談することもある。また、娘のともこも母親に似て賢いところがある。

　現在二十二巻、五月に二十三巻が発売。

　かつて小説が読めなくなって困ったとき、絵本ならばなんとか読めたので、それならばと児童書に手を伸ばしてみた。

　読みやすいものをと選んだウチの一つが、「ミルキー杉山のあなたも名探偵シリーズ」だったのである。

　こなれたミステリー小説を読んでいる人にも十分に楽しめる、そんな作品である。