『ブルボンの封印』

 恋愛もので覚えがあるのは、『ブルボンの封印』著:藤本ひとみである。


 なぜにコバルト文庫の『まんが家マリナ・シリーズ(未完)』でもなければ、『花織高校シリーズ(未完)』でもなく、『ユメミと銀のバラ騎士団シリーズ(未完)』でもないばかりか、『新花織高校恋愛サスペンスシリーズ(未完)』や『KZ少年少女ゼミナールシリーズ (未完)』、新潮文庫の『テーヌ・フォレーヌシリーズ(未完)』ではないのか。

 きちんと完結している作品もあるし、一般文芸も数多くある中、なぜにブルボンの封印なのかといえば、NHKラジオドラマの影響だった。

 ラジオについてはあとで補足する。

 わたしの中では当時、小説は読むより聴くのが支流だった。

 読む時間も取れなかったし、なにより購入せず借りて読んでいたため、新刊を手に入れにくかった。

 しばらく待てば棚に並ぶようになるかもしれないけれど、その頃には読みたい欲求が冷めきって他に移ってしまう。

 熱しやすく冷めやすい、とはまさに自分のことだった。


『ブルボンの封印』とはフランスで語り継がれる鉄仮面伝説とルイ14世の双子説をもとに書かれた歴史小説である。

 けっして、ルマンドやホワイトロリータ、バームロールにレーズンサンド、あるいはプチチョコやアルフォードといった数々のお菓子を発売するお菓子メーカーの封印が解かれる話ではない。


 ハードカバーの本を最初に購入したのが、『ブルボンの封印』だったと記憶している。それなりにラブシーンもあった。

 宝塚歌劇団が舞台化をする話を聞いて以降、宝塚に興味を持つようになった。


 こののちも藤本ひとみは西洋史の歴史小説を書き続けていくのだけれど、熱しやすく冷めやすい性格だったため、他の作品には手が伸びなかった。

 伸びたのだけれど、はまり込まなかったというのが正しい。

 世の中には沢山の作品にあふれていたからだ。


 藤本ひとみの作品には、一度は触れた方がいいと思う。


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