『海底2万マイル』

 子供向けで覚えがあるのは、福音館古典童話シリーズ『海底2万マイル』著:ジュール・ベルヌ 、翻訳:清水 正和である。


 子供向けの定義はよくわからない。

 今は問うのをやめよう。

 なぜ同じ福音館古典童話シリーズでも、『二年間の休暇』ではなく、『あしながおじさん』でもなく、『ピノッキオのぼうけん』や『ふしぎの国のアリス』、あるいは『ピーター・パンとウェンディ』や『鏡の国のアリス』、はたまた『ハイジ』や『ロビンソン・クルーソー』、それとも『トム・ソーヤーの冒険』や『宝島』、ひょっとして『三銃士 上・下』や『西遊記 上・下』、もしかしたら『秘密の花園』や『神秘の島 上・下』、いやいや『若草物語』や『ガリヴァー旅行記』でもなかったのか。

 そのへんは読んでいくことになるので、福音館古典童話シリーズの最初に読んだのが、たまたま『海底2万マイル』だっただけ。

 海底2万マイル原作のアニメがNHKで放送されていたことが、かつてあった。

 その影響にちがいない。

 ほんとうに影響されやすかった。

 これらの書籍を読めばわかるが、アニメ放送されたいろんな作品とは、だいぶ内容が違うことがよくわかる。

 アレンジして放送されていたアニメのほうが面白いものもあるので、どちらがいいか悪いかを決める必要はない。

 それよりも、ハードカバーの書籍を借りて持ち帰るのがなかなか大変だった。

 かなり重い。

 重いんだけれども、それだけ読み応えのある書籍だった。

 これをきっかけにジュール・ベルヌ作品をいくつか読むようになった。




 この流れで、SF小説で覚えているものをあげるとすれば、『星新一のショートショート』である。

 他を読んでないわけではなくて、心の本棚のはじめの方に並んでいるものをと考えると、手塚治虫の『火の鳥』や藤子不二雄の『ドラえもん』、石ノ森章太郎の『009』などの漫画の方が多い。

 だからといって、漫画をたくさん読んでいたかといえばそうでもなく、手に届くところにあった作品しか読んでいない。

 小説となるとなおさら難しい。

 なぜならSF小説が図書館の棚に並んでいなかったから。

 なのでSF小説というものがあることを認識するのは遅かった。


 科学的にもとづいた冒険ファンタジーを書くきっかけになったのは、ジュール・ベルヌの影響があるのは間違いない。


 

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