『オズ・シリーズ』

 次に覚えているのが、ハヤカワ文庫『オズ・シリーズ』著:ライマン・フランク・ボーム 、 翻訳:佐藤 高子である。


 なぜ『オズの魔法使い』ではないのか。

 博識なる方ならご存知でしょうし説明はいらないと思うのですが、オズ・シリーズは『オズの魔法使い』から始まり、オズの国を舞台に十四作品が製作。ドロシーやオズマ姫たちの冒険物語である。

 オズの魔法使いといえば、一九三九年に公開されたアメリカ合衆国のファンタジー・ミュージカル映画が有名かもしれない。

 敬虔なる方なら一度は視聴されたことがあるやもしれない。

 見たことがなくても問題は無い。

 この映画を見たら、読まなくてもいいかな、となるでしょう。

 わたしも、そうだった。

 のちにアニメ『オズの魔法使い』の再放送をみたとき、「続きがあるんだ」と初めて知ったのだから。

 それをきっかけに図書館で借りて読むようになる。

 ですが、まず図書館に置いてない。

 置いてあっても最初の『オズの魔法使い』だけ。

 当時のわたしの頭の中には、「本は借りて読むもの」という暗黙のルールのようなものが出来上がっており、購入して読むという選択肢がはじめから無かった。

 ゲームもそうなのだけれども、漫画や本も買ってもらった記憶がほとんどない。

 そういうものなんだ、と疑問すら沸かなかった。

 とはいえ、である。

 ちょっと読んでみたいけれど、本がない。

 無いなら、入れてもらおう。

 図書司書の先生にオズシリーズを入れてもらった。

「オズに続きがあるなんて知らなかった」と関心される。

 わたしも知りませんでした。

 ただ問題が一つ。

 借りて読むのがわたししかいなかったため、『オズのつぎはぎ姫』までで止められてしまった。

 続きを読んだのは、ずっとあとになってから。


 長い冒険ものを書こうとしたのは、この作品に影響されたのかもしれない。

 

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