3.全員集合!

「それでお姉様、わたくしの香、どう落とし前付けて下さるんですか?

 婚約者の彰仁様に頂いた、大事な、大事な香なのですけれど?」


…お姉様、過激です。言動がヤンキーです。お姉様は起こると恐ろしいのですが、

むやみやたらと八つ当たりされないのは美点ではありますね。

その分一点集中になるのですけれど。


「あぅぅ、彰仁さんにも謝るし、新しく同じものを買うわ…!

 それで手を打って頂戴?お願い、夕香」


「エスティナのマカロンで手を打って差し上げます。勿論、お姉様の出した条件

 プラスですよ?」


「分かった、わ。元はと言えばわたくしが悪いんだもの。それくらいするわ」


「ご理解いただけて嬉しいわお姉様。では仲直りよ」


一気に緩んだ空気に、ほっと息を吐きます。もう大丈夫そうですね。

お姉様達も来ましたし、手紙はもう後回しです。

恨み節はもう書きましたしね。女心の分からない麗雅様など知りません!


「あらあら、皆揃って月乃のお部屋にいたのねぇ。二人ともお部屋に

 居なかったからびっくりしたわ!三人とも、お話があるから、

 広間に行ってくれる?菜乃葉が待っている筈よ」


「「「分かりましたわ、お母様」」」


急に顔を見せたお母様が、その様に指示をなさいました。

お母様の指示は絶対ですもの、逆らうなんて致しません。

逆らった跡が恐ろしいですもの…。話になりそうなことと言えば、染時兄様の入学の事でしょうか?きっとそうですね、それくらいしか思いつきません。

………まさか?いえ、それは無い、筈です。

確かに、幼少から宮中へ入る事は御座いますけど…。まさか、ですよね?


「何のお話かしらねぇ?もし、入宮のお話だったらコロス!」


ぶぶぶ、物騒ですよ!!姉様!殺すって、誰を?東宮様じゃありませんよね?

あぁ、なんだか殺伐とし過ぎではありませんか?


その後、何故かお姉様達に抱えられていくと、年子の妹、菜乃葉ちゃんがいました。


「なのはちゃん!!」


「ねえさま!」


ぎゅっと抱き合っていると、


「~~!!萌え死ぬ!」


「可愛すぎるわうちの妹たち!!」


と言う声が聞こえてきましたが、何だったのでしょう?

まぁ、あまり考えなくても良いですよね。


「なんのおはなしだとおもう?ねえさま。みんなであつまるのはだいじなどきだけ

 だったとおもうんだけど…?」


「わからないわ。おかあさまもなにもいっていなかったし…?」


続いてお兄様たちも入ってきました。なんだか険しい顔ですねぇ?


「よし、皆揃ったな?」







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る