小銭拾い

 ふと思い立って、一日中下を見て歩いていたら何円拾えるか、という実験をしてみた。金が欲しいというより、純粋に興味があった。百円ぐらいなら、別に探してなくても落ちていたりするので、意外と千円以上あるのでは、という浅はかな計算もあった。

 朝の九時ぐらいに出、帰ってきたのは二十二時前。つまりは半日を費やしたわけだが、それで得た金額は百五十一円だった。はず。百六十一円だったかもしれない。スタートして三十分ぐらいで百円を拾ったので、本当に千円ぐらい軽いのでは、とか考えていたのだが、現実はあまくなかった。


 これだけでは退屈なので、少し他の話を。

 祭りの翌日には、結構な金額が落ちているそうである。財布ごと落ちていることも珍しくないとか。その道のプロ(こんなに誇れないプロがあるのか?)となれば、数万は拾うとのこと。この話を私に教えてくれた人は、実際に拾いに行ってみたらしい。確かに、落ちていることは落ちているのだが、ホームレスと奪い合い、掴み合いになるので、もう二度と行かないとのことだ。

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