第15話 ホテル殺人事件・前編
ある日、朧木は『女狐CLUB』で飲んでいた。彼はローストナッツをつまみにバーボンロックを嗜んでいる。
「良介ちゃん、なんだか狼の匂いがするね」
そう語りかけてきたのはバーのママのジュリアだった。うっすらと狐耳が見えている。女狐妖怪が人間に化けているのだ。かつては様々な男をたらしこんでは貢がせていたが、思いつめた男に呪殺されかけたのを朧木に助けられて以来、彼女はまっとうに生きている。
「あぁ、狼男君を雇ったんでね。いやぁ、荒事に強い従業員は重用だよ!」
「あらら、護法童子クンはどうしたの?」
「世の中にはもっと自分にふさわしい修験者いるのではないかと、自分探しの旅に行くらしくてね。近々うちの事務所を出て行っちゃうのさ」
ジュリアが空のグラスにカクテルを注ぎながら笑った。
「あらぁ、良介ちゃん。護法童子クンに見捨てられちゃうんだ?」
「いやぁ、彼はまだ若い。きっともっといい相手が見つかるさ!」
ジュリアも朧木もまるで恋愛の話のように笑ってそう話をしている。
「それでも狼男を雇うなんて。ちょっとまともな退魔師の道から踏み外してなぁい?」
「大丈夫大丈夫。今は魔物使いなんてメジャーなジャンルだよ。うちも既に猫を飼っているからね」
ジュリアが何かを思い出すように頬に指を当てた。
「あぁ、あのお年寄りのにゃんこちゃんね」
「そう。猫を飼うも犬を飼うもそう変わらないでしょ」
狼男のヴォルフガングは普段は狼の姿をとっていた。普通の人には図体のでかい犬くらいにしか見えないだろう。
「えー、違うよぉ。強いて言うなら狐もそうだけれど、狼も人間に家畜化されていない種でしょ。てか、狼は犬じゃないでしょ!」
「確か犬は家畜化された狼という通説が一般的だね。実は狼自体が社会的な生き物だって研究成果が出ているんだよ。狼は家族単位で社会を形成し、その絆は確固たるものがある。彼らに家族と認められれば強い信頼関係で結ばれるのさ。ようは認められれば彼らはどこまでも寛容的になる」
朧木とヴォルフガングの信頼関係の形成はまだまだこれからだ。だが、術者と魔物の垣根を越えて共生関係は構築された。
「えぇぇー、なにそれ。それで護法童子クンから狼男に乗り換えちゃうんだ!?」
ジュリアはどうも恋愛問題のように茶化して話すのが好きなようだ。元々色恋沙汰の渦の中で生きてきたような女妖怪である。もちろん朧木にも言い寄った事はあるが、朧木に正体看破されて軽くあしらわれてからはおとなしくしているようだ。
「護法童子クンがもっと良い術者を求めているからねぇ・・・僕もそこそこにはやる方だと自負していたんだが傷ついちゃうよ」
「あららぁ、今日は慰めてあげる?」
女狐ジュリアは朧木を諦めたわけではなかった。ただ隙を探しているだけのようだ。
「ハハハ! 君が新たなパートナーにでもなってくれるのかい?」
朧木も笑って答える。もはや仕事の話ではなく色恋沙汰の話にしか聞こえない為、ジュリア(本名は別)の思惑がどこにあるのかわかりづらくなっている。
「・・・まぁ、それもいいけどね」
と、ぽつりとジュリアがささやいた時である。朧木のスマホの着信が鳴った。
「おやおや、事務所から電話だな。丼副君はもう帰宅したはずだから、猫まんから電話かなぁ」
そういって朧木が電話に出ると、案の定猫まんからの電話だった。
「良介や。今電話できるかいね?」
「あぁ、問題ないよ。今呑んでいたところだ」
「なんだい。あの狐の店かいね。お前もほんと物好きだねぇ」
「ハハハ! 付き合いは大事にしないと!」
「それはさておき、お前に仕事の依頼だよ」
朧木の顔が急にシリアスになった。
「こんな時間にかい。という事は緊急の依頼だね。話を続けて」
もう二十二時を回った時刻である。事務所自体は営業時間外のために、看板をCLOSEにしておいてあるはずだ。それでも仕事の依頼が来たという事は・・・
「先ほど警察署から電話があってね。○特案件の可能性があるので、良介の力を借りたいとさ」
○特案件とは特殊案件。超常現象が絡んだ、あるいは人外のモノが関わる事件を指している。
「わかった。これから署に向かう。詳しい話はそこで聞こう」
朧木は電話を切った。
「なに、良介ちゃん。これからお仕事?」
「あぁ、商売繁盛で何よりだよ」
「じゃあ、はい。お冷。酔い醒ましにどうぞ」
ジュリアは朧木にコップを差し出す。良介は水を一気に飲み干し、内ポケットの財布からカードを取り出し決済する。
「さてさて、どんな仕事の依頼が来るやらな・・・」
朧木はバーを勢いよく飛び出していった。
一時間後。朧木は近場の警察署にいた。出迎えたのは通り魔事件の時の刑事である。
「やぁ、朧木さん・・・・・・・おや、なんだかお酒の匂いが」
「すみません。飲み屋にいたもので」
刑事が「むぅ」と唸った。
「急なお呼び出しになってしまって申し訳ない」
「いやぁ。さりとてきちんとやるべきことはやりますよ!」
「現場まで移動する間、かいつまんで状況を説明します。まずはこちらへ」
刑事は車に朧木を案内した。どうやら現場まで出向くようだ。
朧木は刑事と車に乗り、とあるホテルを目指す。運転するのは刑事。朧木は後部座席に座っていた。その道中のこと。
「さて、刑事さん。僕が必要になったという事はただ事ではないという事ですね?」
刑事は車の運転をしながら朧木の話を聞いていた。
「そうです。物盗りと思われる殺人事件があったのですが、どうも完全な密室殺人だったようでして・・・犯人は忽然と現場から姿を眩ましたのです」
朧木は「ん?」と頭に疑問符を浮かべた。
「なんだかおかしな話になってきましたね。密室ですか?」
「そうなんですよ。密室なんです。密室。これさえなければと思いましたよ」
刑事は何度もうんうんと頷いた。
「密室なんて密室そのものを作る動機でもなければ咄嗟には出来ないですから、トリックがあるのならばかなり計画的な犯行ですな」
「えぇ、えぇ。ですが、そのトリックがなんなのかが判明できず・・・困り果てていました」
どうやらこのままでは迷宮入りしかねなさそうなようだ。
「・・・が、密室だけではないでしょう。僕が必要とされたのは」
「実は部屋は凄惨に荒らされておりまして・・・その・・・被害者はとても人間とは思えない力で惨殺されたとしか思えない死体となっていたんですよ。熊に襲われたってあそこまでひどい死に方はしないと思いますよ」
そこで再び朧木は「ん?」となった。
「それで化け物が行った殺人事件だと?」
「とても人間の仕業とは思えない殺人ですよ。前回も狼男が現れたり、転生ドラッグ使用者が通り魔事件を起こしたりとありましたので、これも同じようなものなのではと我々はそう考えて朧木さんに声を掛けました。これはもしかすると、我々の管轄の範囲外なのではないか、と思いまして」
「なるほど。それで僕に話が来たわけですか」
「そうです。事件は今日の夕方ありました。被害者は既に死亡。被害者の同行者は四名。同行者達はまだホテルに滞在していただいています。まだ証拠等が残っているうちに特殊探偵の力をお貸し頂きたく」
刑事は最後に「おねがいします」と付け加えた。車のフロントガラスに映る刑事の表情は重苦しいものだった。
「・・・・・・わかりました」
朧木は短く承諾した。その頃には呑んだ酒も抜けていた。
朧木と刑事は殺人事件現場のホテルに到着する。到着早々にホテルの支配人が出てきた。
「刑事さん! 言われたとおり、日中にいた従業員はまだ滞在させていますが、一刻も早い事件の解決を!」
刑事が支配人を手で制する。
「わかっております。この事件のために新たに専門家を雇いました。お任せください」
刑事の挨拶にあわせて朧木は支配人にお辞儀した。二人はフロントのバックルームのテーブルを借りて座った。刑事と朧木にホテル側からコーヒーが出された。
「さて、刑事さん。早速事件を詳しく説明していただいていいですか?」
「えぇ。まず、事件発覚は今日の二十時三十四分。被害者は
朧木は頷きながら聞いている。時系列に沿ってメモにあらましを記載しているようだ。
「刑事さん。他にも室内を荒らされたような形跡は?」
「あります。物があさられており、被害者の財布が消えていました」
朧木は一瞬間をおいてから頷いた。どうやら不可解な点があったようだ。朧木の眼光が鋭くなる。
「ふむ。この状況下で物盗りに見せかけて行ったわけですか」
「朧木さん。何か気になる点が?」
「刑事さん。この事件は物盗りの仕業ではない」
「お、これらの話だけでわかりますか? 物盗りの仕業ではないと」
刑事は驚いていた。
「間違いなくそうでしょう」
「なぜそう推理されたのですか?」
刑事はとても意外そうに朧木に尋ねる。
「この場合は犯人が化け物であるというのを関係無しに話をします。ただの物盗りというならば、相手を選ばず犯行を行なったことになります。その場合には被害者がどのような人間かわからないし、所持金を大して持ち合わせていない可能性もある。計画的に行うにしてはリスクばかりが先行し、たいした実入りも期待できない。突発的に行うにしても死体に残された痕跡に無駄が多すぎる。かなりの殺意さえ見て取れる殺害方法だ」
「なるほど! 我々は被害者の死因のことばかりに気を取られていました! 逆説的に物盗りに見せかけた内部犯の仕業であると断定するわけですな!」
朧木は刑事の言葉に頷いた。朧木はホテルから差し出されたコーヒーをブラックのままで飲む。酔い醒ましにするようだ。
「被害者の身近な人間であるから外部犯が疑われるような捜査かく乱を行うのです。今回はそれが裏目に出ているということ。犯人は特殊な力をもっている可能性は高いですが、この事件は実は犯人にとっては逆に計画的なものではないのかもしれません。捜査かく乱の仕方自体が問題となっている。相手を侮る思考は愚の骨頂ですので、犯人がうかつなだけとは思いたくないですが」
朧木は確信を持ってそう答えた。
「おお、朧木さん。なんと心強い! まるでミステリー小説の探偵ですな!」
「・・・まぁ、僕も一応探偵ですが」
「と、なると同行者四人が怪しいわけですか。一応四人ともまだこのホテルに滞在しています。話を聞きますか?」
「そうしましょう。一人ずつ話が聞きたい。松葉さんと別れてから事件発覚辺りまでの出来事を詳しく」
十五分後。ホテルのフロントバックルームに被害者の同行者四名が集められる。朧木は椅子に座ったまま来訪者の動向を伺い続ける。刑事が質問する役となった。
相手は正体不明だが化物の可能性もあるためだ。朧木は用心しながら訪れる人の一挙手一投足を伺う。
一人目が
「刑事さん。お話とはなんでしょう。既に必要な話はしたと思いますが」
青木は来るなりそう言った。
「まぁまぁ。我々は事件を整理していました。もう一度お話を伺いたく思いまして」
青木はしぶしぶ椅子に座る。
「十五時に松葉さんと別れてから十八時まではフロントロビーで高梨さんと話をしていましたよ。その後、十八時頃に女性陣と合流しました。それからは四人で夕飯時まで談笑していましたね。私が事件に気がついたのは皆と同じ、夕食の時間ですよ」
朧木は黙って話の内容を書き留めている。
「皆と同じと言うのは、夕食時には全員が同じ場所にいたという事ですか?」
朧木は少し意外そうな表情をした。
「そうです。事件発覚時は皆で食事をしていましたので」
「そうなると、事件発覚時は皆同じ場所にいたわけですね?」
「えぇ、いましたよ。これは他の三人に聞いても同じ答えとなるはずです。もしかして、我々が疑われていますか?」
青木は興奮気味に尋ね返してきた。
「いやいや。状況を整理しながらお話を伺っているだけですよ。わかりました。他に何か気になる点などはございませんか?」
「他には…何も変わったこともありませんな」
「ご協力ありがとうございます」
青木が退出し、やがて二人目がやってくる。二人目は
「刑事さん。あれから何かわかりましたか?」
高梨が刑事に開口一番質問を投げかける。
「只今捜査中です! 念の為、今一度お話を伺いたく」
「えぇ、良いですよ。松葉さんと別れてからしばらくは青木さんとロビーで話し込んでいました。十八時頃ですかね。後から女性二人もやってきまして。他の同行者三人といる時に、松葉からwebメールで『十九時ぐらいに皆で揃って夕食にしよう』と連絡がありまして、予定の時刻まで四人で揃って時間を潰していたのですが、松葉さんだけが来ていなくて、それで居合わせたうちの一人が部屋まで迎えに行ったんですよ。その時に松葉さんが殺されていることに気が付きました」
朧木は少しばかり気にかかるところがあったようだ。カリカリと何かを書きとどめている。
刑事が話を続ける。
「では、十八時に連絡がついたのを最後に、その後の様子はわからないわけですな」
「はい、そうです」
「わかりました。ありがとうございます」
高梨が退室して三人目が入ってくる。三人目は
「刑事さん。まだ犯人は見つかりませんか?」
木藤は声を震わせながら刑事にそう尋ねた。
「現在捜査中ですが、未だ足取りも掴めず…念の為もう一度お話を伺っても良いですか?」
「わかりました。協力します! 松葉さんと別れてから夕方まで、私は外出していました。十八時頃にみんなと合流しまして。私達は十九時に夕飯の待ち合わせをしていました。時間になっても松葉さんが一向に姿を表さないので、私が松葉さんの部屋まで迎えに行ったのですが、部屋のドアを叩いても全く反応が無いので、もしや具合を悪くしているのではと思い、ホテルの方に相談してマスターキーでドアを開けてもらいしました。そうしたら、変わり果てた松葉さんの姿が…」
「他に何か怪しい点はありませんか?」
「わかりません…」
「ありがとうございました」
木藤は退室した。
「刑事さん。彼女が外出していたという記録は?」
刑事がフロントバックルームの監視カメラを指差す。
「このホテルは出入り口付近に監視カメラが有りまして、彼女の言うとおりの時間帯に外出して戻ってきています。また、町中の監視カメラにも彼女の姿があり、完全にアリバイがあります」
朧木は「ふむ」とだけ呟いた。
そして最後の四人目が入室する。四人目が
「もう。何度もお話したと思いましたが?」
明日は不機嫌そうにそう言った。
「まぁまぁ、そうおっしゃらず! 何卒捜査にご協力頂きたく」
明日は面倒そうに髪をかきあげた。
「仕方ないわね。どこから話したらいい?」
「他の方と同じように松葉さんと別れてから事件発覚までの間で結構ですよ」
「松葉さんとは十五時過ぎに別れてから十七時くらいまでは一人でいましたよ。夕飯時に木藤さんが松葉さんを探しに行ったら事件発覚。あと皆さんと同じ話になるかと」
「なるほど。わかりました」
明日は退出していった。
被害者の同行者達は全員その場を立ち去った。
「これで同行者は全員です。朧木さん。何かわかりましたか?」
「まだ、確信は持てませんが。刑事さんの見解は?」
「本来はおなしするようなことではありませんが、朧木さんには協力頂いておりますので特別に。十八時までは被害者と連絡がついたと同行者全員が言っていましたので、事件が起きたのは十八時から事件発覚までの間。その間に被害者の部屋に向かったと言うのが第一発見者の木藤さん。今は木藤さんに疑いがかけられています」
朧木は「うーむ」と唸った。
「気にかかる点は他にもありますが、一度事件現場も見ておきましょう」
「わかりました。案内しましょう」
朧木は刑事に連れられて殺人事件の現場となった宿泊室へと向かった。
たどり着いたのはホテルの506号室。
「この部屋ですか。鍵はいくつあります?」
朧木は刑事に質問した。
「貸出用が二つ。マスターキーが一つ」
「貸出用の鍵は二つですか。所持していたのはどなたです?」
刑事が手帳を調べる。
「どちらも被害者の部屋の中に。それは第一発見者のホテル従業員も確認しています」
「では、室内は完全な密室であったと?」
「はい、そうなりますな」
朧木は頭を掻いた。密室の謎を解かなくてはどうしても犯人を特定できない。
朧木は考えを巡らす。何か証拠は残っていないか。痕跡は残っていないか…。
朧木はふと何かを閃く。
「刑事さん。死体には何か証拠になりそうなものはありませんでしたか?」
死体はすでに運ばれたあとだ。調査に回されているだろう。
「と、いうと?」
「派手な遺体の損傷は、別の何かを隠蔽しようとした結果かも知れません。自らが化け物であるとしても、むざむざありえない方法で殺人を行えば却って疑いが向くことになる。むしろ不自然に作られた遺体に、化け物がどんな化物か追及可能な証拠が残っていた可能性がある。…たとえば損傷の激しい箇所に不自然な傷跡などはありませんでしたか?」
刑事が朧木の話に驚き、署に慌てて電話する。十分後に刑事が戻ってきた。
「朧木さん。有りましたよ! 不自然な痕跡が! 被害者がフォークで抉られたのは死んだあとのようです。首に僅かながら何かが噛んだような痕が残っていたそうです」
朧木は腕組みして考え込んだ。首筋あたりに噛み付くようなもの。それは珍しくもなんともない。
人間の姿をしている。あるいは人間に化ける。その前提を敷いた上で考える。その上で密室に出入りできそうなものは何か。
「可能性は見えてきたな。今はただの予想だが」
「密室に出入りできるもの。幽霊の仕業ですか朧木さん」
朧木は笑った。
「まさか! 首周りに噛みつき、密室にも出入りできて、人間の首をねじ切りかねない怪力を持つ。犯人は状況証拠を残しすぎですよ。想定できる化物の種類はそう多くないくらいには。これなら特定出来る」
朧木は考え込んだ。後はこれまで話を伺ってきた中で、違和感があった話を整理するだけだ。それで犯人が誰なのかまでを特定出来る。
化物の正体を見破るだけでは駄目だ。誰がその化物なのかまでを特定しなくては。
そうでなくてはこの○特案件は解決しない。
朧木は懐を漁った。式神の召喚符は1枚。霊剣は無い。戦闘になったら月魄刃頼みだ。
「どうしましたか。朧木さん」
刑事が心配そうに尋ねる。
「いや、化け物が推理通りならば準備不足かなと」
「朧木さん。怖い事言わないでください! 我々も拳銃はありますが…」
化け物の正体が朧木の想像通りならば、おそらくただの銃火器は通じない。
「…覚悟を決めなくては」
朧木の頬を汗が伝う。それはかつてない緊張感に包まれていた。
朧木の第六感は危険を感知していた。
夜は長い。だが、その日の夜はもっともっと長くなりそうな予感があった。
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