第5話 リア充

テストが終わった。

結果としては俺は赤点スレスレ。

クラスのみんなは高二言う事も有り、相当に頑張っている様だ。


「.....45点か.....」


「ねえねぇ。羽山くん」


何時もの様に浅間さんが俺に話し掛けてくる。

その浅間さんに俺は向いた。

もう慣れたから。


「.....何?浅間さん」


「私、現文が苦手ぇ。で、ね?次のテストに備えて復習会やらない?今回は赤点も私、有ったし」


「.....一体、何処で?」


「私の家」


.....一体、何を言っているんですか?

俺が.....女子の家に.....。

流石にそれは断ろうかな。

浅間さんに俺は向く。


「.....ごめん。俺、あまりそう言うの好きじゃ無.....」


「じゃあ、今日集合ね!」


「.....」


元気ハツラツに言う浅間さん。

俺の意見は完全に無視されてしまった。

と、思っていると。


「浅間。お前、学習会やんの?俺らも混ぜてよ」


リア充の集団が浅間さんに聞いてきた。

あーそうなると俺の出番は無いな。

そう思って、前を向く。


「私、今日は羽山くんと一緒に勉強するから!」


「なんで羽山?そいつ、ロクデナシだよ?」


リア充女子Aが話す。

俺はイラッとしたが、敢えて何も言わな.....


「えっと、ごめんね、羽山くんをロクデナシって言うの止めてくれない?」


突然、怒りの声で浅間さんが立ち上がった。

その声に流石の俺も振り向く。

かなり激昂している様に見えた。

浅間さんの見た事無い姿だ。


「ロクデナシじゃ無いから。羽山くんは。だって私を昔、勇敢に助けてくれたんだから」


「.....」


「.....!?」


リア充どもは俺を睨んで、チッと舌打ちして不愉快そうに去って行った。

しかし何だ今の?

俺が.....救ったって.....?


「あ、羽山くん、じゃあ、放課後集合ね!」


「.....え.....え?」


えっと、トイレに行くねぇ。

と行って、浅間さんは去って行った。

俺は???を浮かべながら、顎に手を添える。

救ったって.....何だろうか。

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