崩壊
今朝、鏡台の鏡を割った。
自分の顔を見ていられなかった。
目の下のホクロも
眠そうに下がる目尻も
意味もなく上を向いてる口角も
見ているだけで嫌悪感に塗れた。
教室では皆んな同じ顔をしている。
ぱっちりと蒲鉾型の二重に
主張しすぎない程度に筋の通った鼻
平行眉
違うのはパーツのサイズと輪郭だけで、あとはみんな同じ顔で
何かに取り憑かれたかのように必死にリップを塗り直していた。
外に出る度、社会に溶け込む度に
人間が怖くなる。
そしてここにもまたひとり、必死に世界についていこうと顔の上で図画工作を繰り返す私がいる。
気が付いた時には
目の前の私は無数になっていた。
罅を落としたその顔は
余計に醜くなっていた。
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