第3話 彼女のいない世界
彼女がもう3ヶ月もボクの家に来なかった。
寂しくて、悲しくて、何もないのが怖くなった。
だから、彼女に会いに行くと決めた。
どこにいるかも、何をしてるかも、手がかりも何も分からないままだったけど、どうしても会いたくて、会いたくてたまらなかった。諦めたくなかった。
諦めない力がボクにもあるなんて思わなかっけど・・・。
彼女の行動はいつだって、新しいボクを見つけてくれるんだ。
愛しい彼女のために、バイトを辞めた。探す時間がなによりも必要だった。
一緒に行った海。話した内容。彼女の笑顔。思い出すたびに幸せになって、ボクに力を与えてくれる。
最初に会いに行ったのは–––––––––「吸血鬼のお家」。
地上に居場所がなくて地下でしか住めなくなった吸血鬼さんが、住んでるトコロ。彼女はそんな風に話してた。
必死に探した。怪しい人達に襲われて、お金がなくなった。変質者と間違われて、殴られた。探すのがこんなにも大変だとは思わなかったけど、探すのをやめなかった。
だから、見つけた時は達成感で気が遠くなった。
家につくなり中から腕が出てきて家に無理やり入れられた。倒れて痛かったけど、それ以上に彼女に会いたかったから、我慢した。
でも、探さない方がいいって、なんでだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます