第3話 彼女のいない世界

彼女がもう3ヶ月もボクの家に来なかった。

寂しくて、悲しくて、何もないのが怖くなった。

だから、彼女に会いに行くと決めた。

どこにいるかも、何をしてるかも、手がかりも何も分からないままだったけど、どうしても会いたくて、会いたくてたまらなかった。諦めたくなかった。

諦めない力がボクにもあるなんて思わなかっけど・・・。

彼女の行動はいつだって、新しいボクを見つけてくれるんだ。

愛しい彼女のために、バイトを辞めた。探す時間がなによりも必要だった。

一緒に行った海。話した内容。彼女の笑顔。思い出すたびに幸せになって、ボクに力を与えてくれる。


最初に会いに行ったのは–––––––––「吸血鬼のお家」。



地上に居場所がなくて地下でしか住めなくなった吸血鬼さんが、住んでるトコロ。彼女はそんな風に話してた。

必死に探した。怪しい人達に襲われて、お金がなくなった。変質者と間違われて、殴られた。探すのがこんなにも大変だとは思わなかったけど、探すのをやめなかった。


だから、見つけた時は達成感で気が遠くなった。


家につくなり中から腕が出てきて家に無理やり入れられた。倒れて痛かったけど、それ以上に彼女に会いたかったから、我慢した。





でも、探さない方がいいって、なんでだろう。





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