第63話 ダンジョン攻略合同作戦(中編)
いよいよ下層への挑戦
『漆黒の守護者』だけで攻略を始める
『魔導兵団』総出で苦戦を強いられた下層の魔物たち
団長は万が一のために臨戦態勢を崩さず前進する
しかしそれは杞憂に終わる
「よおしアトラス! 俺たちも気合入れるぞ」
「今日の高周波ブレードは血に飢えております」
(その新選組ッぽいセリフどこで覚えたんだ?)
その答えは謎のまま魔物の存在がアトラスによって探知される
「10体の魔物を確認 先導します」
「おっしゃ! 行きますか!」
『
「殲滅モード起動 気分的にですが」
などとジョークを交えつつ戦闘態勢に入り
二人の姿が掻き消えた
「早えぇ! ステルスなんて使わなくても、消えてるじゃねぇか!」
「何と言う波動だ! 竜戦士これほどのものとは!」
「私には標的が未だに探知できていません 探知能力に差がありすぎます」
「強いやつとは遣り合いたいと思ってましたが、正直あの二人は絶対敵に回したくないぜ」
彼らの痕跡を追って追いついた時には死屍累々といった有様だった
オーガとミノタウロスの混成部隊が再生の暇も与えられず頭部を粉砕もしくは切断されていた
「もう少しペースを落としてもらっていいか?」
「君たちの戦闘を参考にさせてもらいたいと思っているんだが」
「俺たちは先程から魔物の死体しか拝めていない」
「いやぁ 合同で攻略なんて初めてなんで、興奮しちゃって申し訳ない」
「ふふふ 古代魔導兵の力とくとご覧あれ!」
ペースは落としてもらった
だが参考にはならなかった
やっている事は至極単純だったからだ
ミノタウロス5体が接近してきた
アトラスが接敵
一閃と思われた斬撃は5体の首を撥ねていた
同じく5体のオーガが接近
『ドラゴニック・竜星拳』
瞬く間に全てのオーガの頭部が粉砕された
近寄って斬る殴~る
だがその速度と破壊力が彼らの予想を上回っていた
「なるほど とても参考になった」
「我々の手に負えない存在が、少なくとも二人いる事が判明ましたわ」
「『漆黒の守護者』には喧嘩は絶対売らねぇ」
「俺は喧嘩を売っちまったが、今生きているのが奇跡に思える」
生きてるってなんて素晴らしい事なんだと、斥候型兵士は改めて実感した
その後は、『魔導兵団』だけで討伐を試みたが、探索型が探知、斥候型が奇襲、近接戦闘型と団長で残りを始末する
連携は見事なもので、危なげなく攻略は進んでいった
ブラック・ミノタウロスやハイ・オーガなどの上位種も姿を現したが、攻略が遅れる原因にはなり得なかった
「まさか俺たちだけで、40階に到達できるとは」
団長は驚きとも喜びともつかぬ声で呟いた
階層主として待ち構えていたのは、サイクロプス
しかも上位種のサンダー・サイクロプス
上位の広範囲雷撃魔法を放ってくる
雷属性の攻撃には弱い魔導兵
かつての『魔導兵団』には相性が悪すぎる相手だった
戦えば苦戦を強いられていたどころか、全滅の危険もあっただろう
しかし今の彼らは以前とは訳が違う
いきなり襲い掛かる
『サンダーウェーブ』
範囲雷撃魔法の波が『魔導兵団』に押し寄せる
しかし、対雷撃処理が施された装甲は上位の雷撃魔法であろうとダメージを通さない
ステルスモードの斥候型がサイクロプスの身体を駆け上がり短刀を単眼へと深々と突き刺す
視覚を失い手当たり次第に振り回されるこん棒を時には弾き、時にはいなし、団長が右足を大剣で軽々と切断してのける
左足は、近接戦闘特化兵士の『エクスプロージョン・インパクト』の連撃で潰された
両足を失った巨人は倒れこみ、最後のあがきを見せるが、大剣で首を斬り飛ばされあっけなく討伐された
「お見事!」
「見事な連携 勉強になりました」
ワタルたちの賛辞に恐縮しながらも、自分たちで下層を攻略できたを喜び合う『魔導兵団』の面々
報酬の分配は今日は自分たちはほとんど何もしていないと、討伐した魔物の『核』だけをもらい後は『魔導兵団』で分けてもらい帰還する
いよいよ明日からは『地獄の深層』への挑戦だ
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