第69話 勇者抹殺部隊 1/4
召喚者をこの世界に召喚するためには代償が必要になる
一人の異世界人を召還するのに必要な代償は100人の命
ワタルたち6人を召還するために600名の命が犠牲になった
人族第一主義の王が人族を生贄にすることはあり得なかった
犠牲になったのは亜人と呼ばれる者たち
特に獣人族と呼ばれる者たちだった
異世界から召喚された者たちは強力なスキルと身体能力を持っている
異世界人は国にとって人族とはみなされていない
魔王や、災害級の魔物などを討伐するために用意した使い捨ての兵器
用が済めば、強力な力を持った彼らは国にとっての脅威となる
ならば処分すればいいだけの話だった
その為に組織されたのが『勇者抹殺部隊』
そのメンバー全員が召喚者、過去の勇者たちだった
勇者と言えども、睡眠や食事が必要となる
世界の危機を救った勇者は盛大に持て成された
盛大な麻痺毒と睡眠薬入りの食事で
昏睡状態から覚醒した時には、この国の傀儡と化していた
強力な隷属魔術を施され、命令に背けば地獄の苦しみが全身を襲う
この600年の間、魔王の元へ送り出した勇者は一人として返ってこない
その度に、報復と言う名の虐殺が各地で繰り広げられた
『勇者抹殺部隊』が抹殺してきたのは災害級の魔物などを討伐するために呼び出された勇者たち
そして抹殺の対象は勇者だけではなかった
勇者を殺すためだけに遊ばせておくのはもったいないと
圧政に耐え兼ね、反乱を起こした領主や領民
王に歯向かおうとする反王族派の貴族やその家族
他国を侵略する為に最前線に送り込まれることもあった
隷属魔法に支配され数々の命を奪ってきた
中には、それを良しとせず命令を拒んだ者も居たが
隷属魔法によりもがき苦しみながら死んだ
『勇者抹殺部隊』
彼らは、断りもなくこの世界に呼び出された勇者を
時には無力な人々を殺すための兵器
そして今回の命令が指揮官に下される
指揮官はこの世界の住人
『勇者抹殺部隊』の指揮権及び生殺与奪の権利を与えられていた
彼に逆らえば死あるのみだ
「今回の抹殺対象はハジメーテの街にいる錬金術師」
「その正体は、近頃、召喚された勇者の一人だあると考えられる」
「一般人ではない、本物の勇者だ」
王からの勅命だった
任務を実行するのは、兵士と傀儡とかした元勇者
自分は安全な場所で命令だけしていればいい
楽して高収入を稼げる
お気楽なお仕事だ
「畏まりました 何時もの様に、出来るだけ生け捕りにいたします」
「なあに手足の一本でも斬り飛ばされれば、大人しくなりましょう」
「万が一殺すようなことがあっても、死体の損傷は最低限に努めます」
そうすればまた『勇者抹殺部隊』の人員が一人増えるという寸法だ
「
「準備が整い次第出発する」
こうして『勇者抹殺部隊』の勇者捕獲作戦が開始された
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