第29話 奪われた魔導兵(前編)

地下6階層は、ユウジのピカーッで攻略されてしまったような気がする


街を丸ごと壊滅させて、死者を弄ぶような所業には反吐が出るが


街の住人や騎士たちが、安らかな表情で空へと昇っていく姿をみて幾らか救われた気がした


『核』が手に入ったのはリッチと死の王(自称)とガーゴイル


リッチの『核』はマコが吸収して、死の王(自称)『超再生』があるのでツヨシに吸収してもらおうと思ったところ


「いや ほら いざという時に、すぐに回復して魔法が使える方がいいだろ?」


「だから、死の王の『核』もマコが吸収しろよ」


少し顔を赤らめてそう言うツヨシ


マコは遠慮気味だったが


「タシカニ マコガ ハヤクカイフク デキルノハ メリットガ オオキイナ」


「サスガ ツヨシ イイアンダト オモウヨ」


ツヨシの気持ちに気づいている、ワタルが笑いながら賛同した


ゴブリンが悪だくみするときのような、もの凄く悪い笑顔だったが


『飛行』はシノブの『推進』を使った飛行を更に進化させ


『熱光線』で目からビームが放てるようになって


タイツ姿のヒーローみたいだと、みんなではしゃいだ


威力はそれほどでもなかったが・・・




小休止を終えて上階層を目指す


階段を上るとそこは巨大な迷宮


典型的なダンジョンの階層だがスケールが違っていた


通路は巨大なサイクロプスが徘徊できるほどの広さを誇る


その通路が縦横無尽どころか階段や坂道によって階層をまたいでおり、多層構造となっている


そして現れるのはミノタウロスをはじめとするマッチョ系モンスターたち


しかし、いずれも体のどこか一部が違っていた


金属製の鉄球がついた腕だったり、下半身が、建設機械で採用されている『無限軌道』だったりと魔王の仕業らしい魔改造が施されている



ミノタウロス(改)


体長は約3m


ギリシャ神話に登場する牛頭人身のモンスター


ダイダロスが創りし迷宮に閉じ込められ、テーセウスに倒されたとされる


だがワタルたちが召喚されたこの世界ではダンジョンに多数登場する強力な魔物だ


『身体強化』『耐久性強化』『斧技』『超再生』



オーガ(改)


人の肉を食らう強靭な肉体を持つ魔物


体長はミノタウロスと同じく約3m


ワタルが住んでいた日本では『鬼』と呼ばれていた


『鬼に金棒』と言うことわざ通り、金棒を装備


ゴブリンが進化した姿とも言われているそうだが、ワタルたちがオーガに進化する気配はない


進化の系統が違うのかもしれない


『身体強化』『超再生』『耐久性強化』『棍技』『魔力強化』『魔法威力増加』



トロール(改)


体長が5mと巨大な体躯、かつ怪力だが見にくい姿で知能も高くない


日光に当たると石化して死ぬと言われているがこの世界では、昼間でも野外で確認されているそうなので、そう言ったことはなさそうだ


こちらもゴブリンの進化した上位種族と言われている


トロールにならなくてよかったとつくづく思うワタルだった


『身体強化』『超再生』『耐久性強化』『棍技』



サイクロプス(改)


体長10mを超える単眼の巨人


神話の中では下級の神とも言われている


ワタルがやり込んだゲームの中では木のこん棒を持っていたが、このダンジョンではは金属製を所持


薙ぎ払われるだけで即死する勢いだ


『身体強化』『超再生』『耐久性強化』『棍技』

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