第11話 ギルド協会登録

  ~国境の街レトラノア ギルド協会~


 失った魔力と神気も回復し、調子が完全に戻って退院したので、僕は冒険者として登録するために、ギルドの支部を訪れていた。


「あの、冒険者登録をお願いします」


「分かりました。只今込み合っているので少しお待ち下さい」


「はい」


 窓口の人に呼ばれるまでの間、ギルドについてミラに説明してもらった。


「ざっくり説明すると、『冒険者には、ランクがEからLEGENDまであり、登録したての人はEから始まり、数々の依頼を成功させれば昇格することが出来る。基本的には、自分のランクと1つ上か下の依頼しか受けられないが、パーティーを組んでいる場合や、ステータスがそのランクの基準を大幅に越えている場合は、その限りではない』まあ、こんな感じかな」


 こんな感じで説明してもらった、その少し後……


「では、次の方お願いします」


 窓口の職員に呼ばれたため、そちらの方へ行く。


「こちらの鑑定の宝玉に手をかざして下さい」


 そう言われたので、手をかざす。


「……えぇぇ」


 ギルド窓口の職員が固まってこちらを見ている。あれか、明らかにおかしいレベルのステータスでも出たのだろうか。


「あ、すみません。こちらがギルドカードです。魔力を少し流し込めば、ステータスを見ることができます。これは身分証明となりますので、ギルドで依頼を受ける際に必要となりますし、他国への出入国もスムーズになるため、常に持ち歩いて下さい」


  『分かりました。』


  冒険者登録が完了したので、早速2人と一緒に自分のステータスを見てみた。


 

  クアメル Lv100 水の女神


  【能力値】

  HP 36500 MP 168000 攻撃 3660


 防御 3900 魔法攻撃 9600 魔法防御 8130


  【属性耐性】

  火 50% 水 100%(吸収) 地 0% 風 20%


  雷 -90% 光 0% 闇 0%


  【スキル】

  水を司る者 (水属性攻撃与ダメージ2倍、水耐性大幅増加、水中行動力増加)

 

  火属性攻撃弱化 (火属性攻撃与ダメージ0.5倍)

 

  状態異常無効 (毒や麻痺等全ての状態異常を無効化)


  【固有能力】

  神気開放(HPとMP50%以下で、ステータス大幅増加)


 

 

「やっぱり凄いです……」


「魔法系のステータスエグいな……」

 

「水の女神って出ちゃってるし」

 

 このステータスを2人とギルド職員以外の人に見られたら大変面倒くさい事態になることは確実だ。どうにかして偽ステータスを見せる方法を考えないと不味い。


「ま、何はともあれこれでひと安心かな」


「そうですね。あ、もしよければ早速依頼を受けてみませんか?」


「うん。早速依頼受けてみる」


 今後の目的とかも特に無く、リュエルの勧めもあったので、早速依頼書が貼られた掲示板の前に行き、どれにするか選ぶ。


「うーん。沢山あって迷うな…… あ、これにしてみようかな」


 10分位迷って選んだのは、Bランクの、港町ミストラークまでの護衛の依頼だ。


 その依頼にすると2人に言った所、快く了承してくれたので受けることが決定した。


 本来なら、あと一段階ランク上げしなければ行けないが、ミラとリュエルがBランクだったうえ、僕のステータスがBランク基準で見ると超高いため、依頼を受けることが出来た。


 そうして、依頼主の待つ場所に行こうと1人後に準備していたとき、何だかヤバそうな戦士1人と魔法使い2人のパーティーが、僕に絡んで来た。明らかに酔っぱらっている。


「おいおい。こんなEランクの雑魚が護衛任務だってよ。ハハハ! 無理に決まってるじゃねーか。こいつと一緒に居た女2人だってBランク、雑魚じゃねーか。俺らは全員Sランクだぞ」


「……」


「おい。答えろよ」


「……」

 

「答えろよ!」


「ちょっと黙っててもらいますね。『水精の子守唄・囁き』」


 エレモス山での敵襲の際にも使用した、水精の子守唄の効力を少し抑えたものだ。これなら無関係の人まで眠らせるのを防げる。


  (……ぐぅぅ)


 効果は有ったらしく、絡んで来たやつらをまとめて眠らせることができた。


「あっ、そんな事してる場合じゃなかった。早く行かないと。2人が待ってる」


 改めて準備を済ませて、2人の待つ外に行き、依頼主を探しに街の中をうろつく。30分位探してようやく見つけることが出来た。


 

 


 

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