第21話 シャイ・メイ

「おにいちゃんだいじょうぶかな」「きっといきてるです!」


ピズが、2人を置いていって、戦闘をしている頃そんな話をしていた。

2人は、村人達に囲まれている。大人は子供達を囲って円になっている。


「おにいちゃん死んじゃったらどうする?」「がんばっておにいちゃんのぶんまでいきるです!」


そんなことを話していた。

周りの子供達は、泣いている子もいるし、赤ん坊の子もいる。そしてみんな少し離れた丘の上で、街で繰り広げられている戦闘を眺めている。


「あの人数じゃ、負けたな」「こいつら囮にして逃げっか?」


と誰かが言いった。そんなことを話すと、自然に2人の方を見てきました。

それにつられて、周りの村人達もシャイとメイを見てきた。


「こいつら囮にすれば、いいじゃん、こいつらゴブリンに攫われた子だろう?」


「そうだ!もうこいつらは命なんてないと等しいじゃないか」

そんな声が聞こえる。周りもそうだそうだと言ってくる。

きっと、もう恐怖が支配を始めているのだろう。


すると突然男の人がシャイを掴んだ。


「やめてよ!」「シャイちゃんはなすです!」


「君たちを差し出せばたくさんの命が助かるんだよ、よかったね」


掴んできたのは村長だった。村長は割と若く、レベルも高いのか、それなりに力があった。

周りの人たちの視線が3人を襲う。


「そうだ!村長!そのままオークに出してやれ!」

「そうだそうだ!やっちまえ!!」


そんな声がたくさん重なり、いつしか2人は村長と知らない男に捕まっていた。


「やめてー!!」「はなしてです!!!!!」


「黙れ!すぐそこにはオークが2体もきてんだよ!でもお前達さえ差し出せば!そしたらここにいる全員逃げることできんだよ!!」


視線の先には、まだ気がつかれていないが、確かに2体のオークがそこにいた。

丘の上だからか、まだ見つかっていないらしい。だが、それは時間の問題だ。


「いやーーーー!!!!!」「い…や……です……」


2人とも怯えてしまっている。それはそのはず。オークの討伐の適性レベルは15〜18だ。それから、2体のなると、プラス5レベル。2人はまだ1レベル。どんなに足掻こうが、20のレベル差は埋めることはできないだろう。それに、2人は素人で、ステータスも発現したばかり。これは「死ね」と言っているようなものだ。「囮になれ」じゃない。「死んでこい」だ。

村長と男が2人を逃げないように拘束した。周りの人たちは、「助かった!」や、「可哀想な、逃げようか」など、特に2人を守るような事を言わなかった。


「みんな逃げるぞ!」


「「「はい!」」」


2人はロープで拘束されて、丘の上に置いてかれた。村長率いる村人達は、オークがいない方の下り坂へ行ってしまった。


「さよなら…おにいちゃん…」「バイバイ…シャイちゃん……バイバイ…おにいちゃん…」


既にオークは2人に気がついている。棒を固めて。

オークも外繁殖系だ。それもオークは幼い子をよく襲う。オークはロリコンっと言う論も出るぐらいだ。なので2人はオーク達にドストライクなので、逃げていった人達は、目もくれないだろう。


『ブギギギギギギギギギギ!!!!!』「ブモモモモモモモモモモモモモ!!!!』


雄叫びをあげた。2人とも裸。豚の顔から、ヨダレを垂らし、待ちに待ったご幼女を食べるような顔だ。


「バイバイ、メイ」「はいです、シャイちゃん」

2人は涙を流し、笑顔で一緒に笑った。自分の体と今度こその別れを込めて。











が、いきなりオークが氷漬けになった。

2人は顔を見合わせた。

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