第13話 会話
「粗茶ですが」
「あ、ありがとうございます」
ギルドマスターらしき者に深々とお辞儀をさた後、マスター室に入れてもらった。
「さっきの無礼は本当にすまない。それで、君は、精霊使いかね?」
「いえ、スキルは【生産】です」
「それは、誠か?おい、リース!アレ持ってこい」
「か、かしこまりました!」
ピズを散々雑魚呼びした、受付嬢はリースと言うらしい。知っても得はないが。
アレとは、多分職業水晶だろう。手を触れると、その触れた人のステータスが全て見れる。
15歳までなら、親でもステータスを見る事ができるが15歳になると他人に見せるにはこれしか方法はない。
「持ってきました!」
「よし、ピズファくん、これに手を乗せてくれるかいな?」
「はい、でも、この事は他言無用でお願いします」
「当たり前だろーて、しっかり、守ろう」
その言葉を聞いた受付嬢は、すぐにドアから出て行った。できれば、ステータスは公表したくないが、しないと金がない。これは我慢するしかない。【隠密】さえあれば、部分的に隠したりできるのにな。
ピズは人の頭ぐらいの大きさの水晶に触れた。
♢♢♢
【ピズファ】 レベル: 28
【ヒューマン】
体力: 750
魔力: 780
筋力: 750
防御: 560
俊敏: 565
器用: 500
ポイント: 0
スキル:【生産】 【亜空間収納】
派生: 【生産】
器用補正
高圧縮化
形補正
魔力消費軽減
分解
固定量産化
【亜空間収納】
容量補正+3
無血液破棄
合成血液
吸引
【???】
剣速上昇:2
クリティカル上昇
クリティカル時倍率2.4倍
投擲速度上昇:2
精霊契約(グラキエース: 大精霊,術適正:氷,水)
※契約時、契約開始時に魔力100要求,持続で血を1滴20秒要求
腰の紋章に魔力を込めることで召喚可能。
♢♢♢
「な、なな、なんだこれは!!!!!」
「ステータスです」
「そうじゃない!主的パラメーターは初心者の上ぐらいだが、このアビリティはなんだ!!??確かに、職業は【生産】だが、なぜ、こんな【剣士】スキルに、【投擲】スキル、精霊まであるのだ!!??」
「静かに!聞こえちゃう」
「すまん!だがこれは革命になるぞ!?もし、他のスキルを取得できるのであれば、みんな強くなるぞ!?」
確かにそうだ。スキル玉を他の誰かに使わせれば、スキルが身につくかもと思った事があった。その時は、思ったらすぐに実施した。被験者は院長で、手にスキル玉を握らせた。そしたら、そのスキル玉は、どんどん、黒くなり、粉になって消えていった。だから、自分しか使えない。
「それは無理です、どんなに頑張ってもスキルがないと、アビリティは発現しないから」
「じゃあ、お主はどうやって取ったのだ?」
教えるか悩む。教えたところで、事実が判明するだけ。教えなければ、疑いをかけられる。本当は誰でも、アビリティを取れるのじゃないかって。だから、
「これです、握ってみてください」
【亜空間収納】を開き、スキル玉、【保護】を2つ取り出した。
「これは、ガラスの玉か?」
「いえ、スキルの素です、このように、握ると…」
パリン!と音とともに、スキル玉は消え、手をずっと置きっ放しの水晶から出るステータスに変化が起きた。
♢♢♢
【ピズファ】 レベル: 28
【ヒューマン】
体力: 750
魔力: 780
筋力: 750
防御: 560
俊敏: 565
器用: 500
ポイント: 0
スキル:【生産】 【亜空間収納】
仮:【保護,14分】
派生: 【生産】
器用補正
高圧縮化
形補正
魔力消費軽減
分解
固定量産化
【亜空間収納】
容量補正+3
無血液破棄
合成血液
吸引
【???】
剣速上昇:2
クリティカル上昇
クリティカル時倍率2.4倍
投擲速度上昇:2
精霊契約(グラキエース: 大精霊,術適正:氷,水)
※契約時、契約開始時に魔力100要求,持続で血を1滴20秒要求
腰の紋章に魔力を込めることで召喚可能。
♢♢♢
こう変わっていた。
「このように、この玉を握ると,スキルが一定時間だけ手に入れる事ができます、しかし,他人だと、ゴミになります」
その説明を聞き、ギルドマスターはもう1つのスキル玉を手に取った。
「んん!!無理だ硬い、それに黒くなって来とる」
硬くなるんだ!と新しい情報も手に入れ、黒くなったスキル玉は、粉になって消えた。
「なるほど、ゴミか、確かにゴミじゃな、じゃあ、そうやって、アビリティを取ったんだな、アビリティは消えなかったのか?」
「消えるのはスキルだけ、アビリティは別のものです」
「そうか、じゃあ、精霊術も使えるんだろう?」
スキル玉については納得してくれたみたいだ。精霊って、ステータスに書いてあるんだけどな。見落としかな。【???】に目がいきすぎて見えなかったのかな。
「精霊は、ステータスに書いてある通り、大精霊のグラキエースです、属性は氷、水です」
「え!あ、本当だ、書いてあったわい、……え!?だ、だ大精霊!!??」
あー、やだこのギルドマスター。いちいちうるさすぎない?
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