第9話 処理
既に魔力は0に近いだろう、さっき、神経毒解毒ポーションを作ったが、足元がフラフラする。周りには血の海。そして緑色の肉片がいくつか。
「ここは、【亜空間収納】で行くか」
やはり、【亜空間収納】はとても便利だ。血の海のしたで地面の上って指定で、【亜空間収納】を発動した。
「楽だな、でも、あれが見つかんない」
【亜空間収納】はどんどん地面にある血を吸って行き、肉片も一緒に吸ってくれている。
そして、精霊が使ったブリザードか、フリーズか、わからないが、氷魔法の、氷らしきものまで吸ってくれた。精霊の名はグラキエースと言うらしい。声的には、幼い女の子を連想させるような声だった。
「うぁぁ、、あ、、、や、、、」
「やはりあったか」
既に、地面は薄く黒っぽいが血は吸えるだけ吸った頃だった。
2軒ほど、少し離れたところにゴブリンの家があった。その中には攫われた、女、女の子がいた。
1つ目の家と言えるかわからない家の中に3人いた。裸でどれも目の接点があっていない。更生は厳しいのではないだろうか。
2つ目の家は、2人いた。こっちはまもなく死にそうだ。目は瞑り、体には痣があり、どちらも子を産めるような歳じゃない。ひどいな。
「よっこいしょっと」
どちらの家からも外へ、運び、予備で買っていた布を、最初の家の方はかけ、2軒の方は、赤子を抱くような包みで床に置いた。
「「うぁ、、、あ、、、いぇ、、、、」」
何人かはまだ生きようとしている。
「そ、それって…」
「ああ、攫われた子たちだよ」
ようやく女戦士が動けるようになったらしい。服や、装備から少し、裸が出ているが、もう布はない。これくらい我慢してもらおう。
「これ、どうするの、持って帰るの?」
「どうしようか」
あまり覚えていないが、男達が応援を……
「そこいら、怪我はないか?」
「あ、えっと、大丈夫です」
噂をすればきた。筋肉質な体でマッチョな男3人いた。
「そいつらは、街まで運ぼうか、可愛そうだがな」
「お願いします」
「任せとけって、それより、オメェ、ゴブリン供全部倒したのか?」
「まあな、でもこんなだ、あとはよろしく」
「ああ、任せろ」
もう疲れた。少しだけ、少しだけ寝かせて。
♢
「ん…ふぁぁ…あれ」
ゆっくりと脳が覚醒していった。獣や、何やらとあるといけないので、木の上で過ごすことにした。
「よっこいしょ」
ゆっくり木の上から降りると、布の包みが2つあった。
「おい!生きてるか!?」
反応がない。そこには、2軒目にいた、子を産めるような歳じゃない子がいた。
一応生きてはいる。が、もう死にそうだ。ここは、安らかに眠らせるのも手だろう。
きっと、眠る前に来た男達3人はそう判断し、置いていったのであろう。
でも、もし生きたいなら。生きる権利はある。
「仕方ない」
ピズは月明かりを頼りに、ポーションの素材を探した。
♢
「チユ草6本に、ベリダケ2本よし」
これらは、治癒ポーションを2つ作るのに必要な素材だ。
「よしできた!」
からの瓶は、さっき飲んだ、使用済みだが、仕方ないだろう。
「…ん」
寝たきりの子の看病は口ずけが1番効率的だ。【神聖術】系を持っていたら、しなくて済むのにな。でも幸い、今は夜だ。誰も見てない。見ていたとしても、これは治療だ。
それからは、口にポーションを含み、2人に1つずつ飲ませていった。
「これからどうしようかな」
そんな考えは、傷ついて疲れた体から出た眠気で掻き消されて行った。
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