第4話 旅立ち

孤児院に入り、5年が経った。


今日、俺は、旅に出る。2年前、レベル6になり、ポイントを振ったあと、ちまちま作り始めたことが2つある。


1つ目は、クリスタル。

クリスタルというより綺麗で硬い石って言った方がいいだろうか。

これは炭鉱石を高圧縮により作り出した、高純度な宝石である。宝石は炭鉱石からできる。それで毎日魔力が尽きるが、コツコツ2センチぐらいずつ作っている。

これはいつか必要になるだろう。


2つ目は、ホルダースライムというスライムがいる。街を出て砂鉄を集めるために湿地帯に行っていた時に、何度か魔物にばったり出くわしたりした。まだ、街周辺は弱い魔物しかいないが、戦闘スキルじゃない俺にとっては脅威であった。でも、遠くから石を投げたらどうだろう。周りからは弱虫など言われるだろうが、数ミリずつでも石が当たれば、時間はかかるが、いつか終わる。そしてスキルはないが、【亜空間収納】はある。そこから、自分で作った鉄花などを使って倒した。

その時のスライムの死体を【亜空間収納】に入れていたら、2つの素材に分解がされていた。

1つ目がスライムゼリー、2つ目が、ホルダー核。

このホルダー核という素材を使った生産があった。今までの【生産】の人々は街から出ず、引きこもっていたのだろう。こんな発見はしなかった。


それは、スキルを作ることである。


このホルダースライムとは、最初に攻撃された人のスキルをコピーする能力が名前の由来であるとモンスター入門本では書いてある。だが、本当の意味は、スキルをホルダーすることにある。そして、全てのスライム同士魔力で繋がっており、この世界中のホルダースライムはいろんなスキルをホルダーし合っている。なので、ランダム要素は高いが、スキルがランダムで作れるようになった。

これを作るには、ホルダースライムの核と自分の血だ。

そして追加素材で、誰かの髪だ。

この名前はスキル玉。

そして、このスキル玉は、時間制限がある。それは血一滴で1分の使用時間がある。

自分の血を多く素材として使えば、使用時間が伸びる。

そして、誰かの髪だが、これは、スキル玉のランダム性を無くすることができる。

使った髪の毛の持ち主のスキルをスキル玉に保存できるようになる。


これは革命だ。スキルは時間制限って説明だ。だからアビリティは消えない。だから、制限時間内にアビリティを取得すればいい。これに気がついた。それからは、鍛冶屋に来た、冒険者に安くするから髪の毛くださいと言い、ちょくちょくもらって、剣士アビリティは取ることができた。


♢♢♢


【ピズファ】 レベル: 8


【ヒューマン】


体力: 100

魔力: 180

筋力: 70

防御: 60

俊敏: 45

器用:90

ポイント: 0


スキル:【生産3】 【亜空間収納2】


派生: 【生産】

器用補正

高圧縮化

形補正

魔力消費軽減

分解


【亜空間収納】

容量補正

無血液破棄


【???】

剣速上昇

クリティカル上昇

投擲速度上昇:2



♢♢♢



この5年でよく頑張っただろう。【???】はスキル玉で取ったアビリティだ。


ドーン、ドーン、と朝の鐘が鳴った。


「あら、もう行くのピズ」


今日を楽しみで不安でもあるせいでねれなかったのでずっと考え事をしていた。

そして鐘の音と同時に背中から声をかけられた。


「はい、俺頑張ります!」


「そうよね、止めても無駄だよね、だから、だからこれだけ言わせてね、


頑張って。死ぬんじゃないよ、いつかまた、帰って来なさい。お家にね」


「はい!」


「約束だよ今の言葉、じゃ、行ってらっしゃい!」


「行ってきます!またいつか帰ってきます!」


「それまで待ってるねピズ」


別れを告げた。頑張って。死ぬんじゃないよ。いつかまた帰ってきなさい。か。


目標が増えた。

旅の目的はは、3つ

1つ、俺の生まれた街に行く。そして親を探す。


2つ、俺みたいに捨てられる子を助ける。僕を助けた冒険者みたいに。


3つ、この街に、この孤児院にまた戻ってくること。


さあ!冒険に出ようか!

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