第2話 暇潰しと言う名の成長

スラム街を抜けて1年が経った。

今や、人気店まで成り上がった。酒場でバイト中である。


「よし!坊主!今日は上がれ、疲れただろ?」


「はい!お疲れ様でした!」


ピズファは、スラム街を出るなり、孤児院の子になった。

成り行きは、スラム街を出た頃は、スラム街を出るために歩き始めて1日半の頃だった。

10歳の体ではもう限界が近く、スラム街を出るなり、倒れるように力尽き、寝るように最期を待った。気が付いた頃には、孤児院にいた。

孤児院には、自分のようにスキルに恵まれない子たちが集まっていた。

自分のスキルは【生産】。売れることのない物しか作れない無能スキル。だが、無能スキルはまだ沢山あった。

例えば、【稲師】、【清掃】、【心話】、【餓死】など


【稲師】は稲系植物を育てることが上手になる。

【清掃】はそのまんま清掃が上手になる。

【心話】は心が読めるだけ

【餓死】は常にお腹が空く。


なぜこんなくだらないスキルがあるのだろうか。

とにかくこの孤児院は、そう言ったゴミとも言えるスキルを持った子供たちが沢山いた。

僕のことは通りすがりの冒険者が届けてくれたそうだ。

そして僕は、孤児院だと全然ご飯が食えなかった。1日2食でスープにパン一切れだった。

なので院長に無理言って、酒場の清掃員をやっている。

スキルがなくても掃除はできる。誰だって、剣士系スキルがなくても剣を振れるように。本職には圧倒的な差があるけど。

僕が通ってる酒場は元々普通の酒場だったが、その酒場の店長に、「働かせてください!」と言って、清掃から皿掃除、トイレ掃除など、様々なことをやっている。いわゆる雑用係だ。

でも店長は顔はいかついが、案外優しく、受け入れてくれた。そして、少ないながらもお金は貰えるし、客が残した食べ物も貰えた。そして僕が雑用係になってから、この街1番綺麗な酒場となり、繁盛している。その分、残飯もあるし、お金も貰える。一石二鳥だ。

今日は給料日だった。2週間に一度お金が貰えた。貰えるお金は8000メルだ。

この金額は36人の1週間分ほどのお金だ。僕はそのお金をいつも院長にあげている


「ただいま、いんちょー」


「はい、おかえり」


「これ、お金あげる!」


「いつもみんなのためにありがとね、ピズ」


院長は獣人の女性だった年は20前半ぐらいだろう。院長のスキルは【保護】だった。

このスキルの利点は、保護した人全てに病気耐性とヘルスケアが発動される。とっても有効なスキルだ。病院の介護など、沢山の場所で生かされる。


「今日も作るの?」


「うん!頑張らないと!」


「ご飯の時はちゃんとくるのよ」


「わかってるってじゃあね」


「うん、きおつけて」


朝から酒場で働き、昼に終わり、そこから夜近くまで商売をしていた。

商売内容は石加工。

その名の通り、石を加工する商売だ。

ただ四角などに加工するのではなく、いろんな形に加工するのだ。

この1年でわかったかとがあった。この【生産】は手で作らないと言う利点であり、欠点であった。そして何より、ステータスの器用と魔力と想像力で完成形が出来上がることがわかった。大事なのは想像力だった。スキルを発動すると、沢山の生産ボードが頭に響き、その中から選んだものを作る。それが今までの生産だと僕は思っていた。ところが、生産する時、10秒ぐらいの制作時間がある。たまたま通った冒険者が「そろそろ剣買えっかな」と言っているのが聞こえ、剣かと思ったところ、生産ボードには、薄い石と言う生産内容だったが、形は変だが、短剣型に似た石が出来上がった。そこから、沢山のものを見て想像して作ることによって、型を自由にすることができるようになった。なのでそれを商売にしている。

商売しているところは、院長の友達の鍛治師の店だった。


「よう!ピズ!花の石3つと小型短剣首飾り、馬石置物2つ売れてるぞ」


「おっちゃん、ほんと!?やった!もっと作らないと!」


声をかけてきたのはドワーフ族の鍛治師で院長の友達のウェルガだ。

花型の石は6枚の花びらで石の先端が鋭く、薄い。なので、たまに、【投擲】スキル持ちの人が買って行ってくれる。ちなみに200メルだ。

他2つは娯楽用だ。適当までは言わないが、なんとなく作ったのを売っていたのが売れた。どっちも300メルだ。よって今日の臨時報酬は1500メルだ。

酒場の仕事はしなくてもいいのではと思うが、安定したご飯……お金が手に入るからと言う理由でつずけてる。【投擲】スキルは常連の人も多いい。理由は安くて使いやすいらしい。

一応おっちゃんの鍛冶場の床にたまに落ちている鉄で作った投擲用も作ってなくはないが、鉄はすぐ集まるわけもなく、売った瞬間に売れるため、常に店には売り切れてになっている。自分は生産職のため、買わなくてなる人も出るため、おっちゃんに売ってもらっている。


「ピズよぉ、お前前に鉄の作ってなかったか?」


「うん、作ってたよ、もう使えないって言ってた鉄使ったやつ」


「それだ、そのことなんだが、作ってくれって依頼が来てるんだよ、まだできないのか」


「うん、まだなんだ。鉄が足りなくてね」


「そうか、あげないこともないけど、自分で作ってみてはどうだ」


「作るって?鉄を?」


鉄を作るってどうやるのだろう。その好奇心に負け聞いてしまった。このおっちゃんはおっちゃんなだけあって、物知りである。しかしとても話が長いのだ。

やっちゃったと思いながらも耐えることを決心した。





30分ぐらいは聞いていただろうか。内容は、街を少しでて、砂鉄?と言うものを溶かして鉄を作るって話だった。しかし、魔道具が必要らしい。鉄だけをくっつけるゴミ魔道具が必要らしい。その魔道具を昔、間違えて買ったらしいので、もらうことができた。

そのあとは、店の中で座りながら魔力が尽きるまで、石加工をして行った。





ーーーーーー


どうも作者です!読んでいただきありがとうございます。


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