スキルを育てて5年間やっと化けてくれました!

運蓮

第1話 絶望な世界

僕がいるのは、スキル制でレベル制な世界だ。


この世界はレベルがどこまでも上がる。

かの有名な賢者や勇者は600台に行ったとされる。


この世界はスキルが人生を左右する。

1人1〜2つスキルをもらえる。そのスキル性によって人生が変わる。

剣士系なら、冒険者へ

商業系なら、商人へ


ステータスがあり、たった1レベル、されど1レベル、その差が命取り。

1レベル上がると1ステータスポイントが貰える。

2レベル上がると2ステータスポイントが貰える。

3レベル上がると3ステータスポイントが貰える。

4、5……ずっと増えつずけていく。

レベルが高ければ高いほど上がりにくいが、その分一気にポイントが貰える。


レベルこそが、スキルこそがこの世界にとって人生を左右する。


僕はスラム街でひたすら歩く。10歳になった。この世界は10歳でステータスを見ることができるようになる。そして親達は、才能のないやつはこうして捨てる。


「…僕は捨てられたんだ。」


起きた時にはスラム街にいた。寝ている間にスキルを見て、そして価値がないから他の街に行き、捨てられた。

起きたらステータスを見た。


♢♢♢


【ピズファ】 レベル: 1


【ヒューマン】


体力: 30

魔力: 40

筋力: 20

防御: 20

俊敏: 25

器用:40


スキル:【生産】 【亜空間収納】


派生: なし


♢♢♢


まさか生産とは……生産なら、いろんなのが作れるからいいじゃないかっとなるだろうが、ここでは違う。確かにいろんな物、剣なり、服なり、なんでも作れる。だが本職に負ける。

同じ値段で着るのなら本職を誰もが選ぶ。当然のことだ。質が違うのだから。それに【亜空間収納】は結構レアだ。ただ、生産スキル持ちでなければの話。亜空間なだけあって人それぞれ入る量は違うが、入れてる物は時間が止まるし、いつでも取り出せるし、邪魔にならない。だが、スキル【生産】を持っていると必ずと言っても過言ではないぐらいでスキル【亜空間収納】が出現する。理由は、【生産】スキルは勝手に作られるからだ。本職は1つ1つ丁寧にに尚且つ、早く、質の良いのが作れる。それに、ちょっとしたアレンジや、特徴を作ることができるだが【生産】は一定の物、決まった普通の物しか作れない。【生産】はスキルを発動するとたちまちステータスのように脳内に半透明の板が出て、作りたい物を意識、するとたちまち、生産され、亜空間に自動的に送られて収納される。自分で作らないので質はランダム要素がとても高い。なので、必ず、店に行くと本職と書かれており、ごく稀に生産を見るが全く売れていなかった。だからゴミスキル。

無限に近いスキルがある中で、こんなスキルを引く人は、ほんの一握り。そのほとんどの人は捨てられ、生きていても一生売れることのない物をただ意識するだけ。これをゴミ以外に会う言葉はない。ゴミはスラム街に捨てた。


「ぼくは……ぼく…は…」


ぼくこと、ピズファはまだ10歳だ。親に捨てられてた10歳だ。

男ではなく、女だったら体を売り、生きることもできなくはなかったが、ぼくは男だ。


「もう、いいや、こんな人生。いいや。」


10歳には厳しい環境だろう。お金もない。ここはスラム街。

死んだ方がマシだ。そう思う。

だけど、死ぬ勇気がない。死ぬことが怖い。死んだ方がマシだが恐怖がないわけではなかった。結局は死ななかった。





朝から何も食べていない。ぼくは死ぬまでに何か残そうと考えた。なんでもいい。大罪でも、名誉でも。喉が渇いた。だが水もない。


「はぁ、ヤダな」


なぜか口ずさんでいた。どうせなら、亜空間に石ころ詰めておこう。そうすることで【ハンター】スキルのランダム略奪で服とかを取られる確率を減らせる。まだやられたことないけど、今のぼくにとって服などは高価だ。盗まれたら当分なしだ。だから、端に落ちている石ころを拾ってはスキルを発動し、目の前に出てきた裂け目に石ころを放り込んでおいた。





遠くに微かだが、綺麗な街が見える。何も食わず飲まずで、1日中石を拾いながら歩きつずけた。

グゥぅ、ギュルギュル、

腹の虫が泣いている。

でもあと少しだ。あと少し。

あそこにさえ行ければ生き残る可能性がある。いける!絶対。行くんだ!

そして未来を掴むんだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る