3-3

『その金眼は生まれつきですか?

突然変異でも無く?』


青の妖精は顎に手を掛けて、フェンに近づく。


「うん、生まれつきだよ。」


『うーむ、そうですか。』


「…やっぱりこの目に何か意味があるの?」


『キャラキャラ、大有りよ!』


フェンの不安を打ち消すかのように、赤の少女は豪快に笑った。


『金眼は私たち妖精にしか許されないものなの。それは他種族と区別がつきやすい、なんて単純なものでは無いわ!』


「…聞いたことがある。

この目は、太陽と同じ色だから…太陽の恩恵を受けているんだって。」


『あら、意外と詳しいのね。』


パチクリと目を見開いた赤の少女に続いて、紫の少女が口を開いた。


『ケタケタ…でも半分正解。』


フェンの目の前に移動し、彼の金眼を覗き見た。


『僕たちは太陽の恩恵を際限なく受けることが出来る。

…そしてその太陽の恩恵の内、様々な力を大地に変換するんだ。』


実に興味深い話だ。


クロード、レオ、ロドフ、ロイの4人は、さらりと自分達の秘密を暴露していく小さな妖精達を静かに見守っていた。


太陽の恩恵を受けているという事は確か、幾つかの文献に載っていた。しかし妖精族が姿を消していた今までは信憑性が無いものとして特に取り上げられていなかった。

レオは今一度取り上げられていた文献を見てみるのもアリかと、どんなタイトルの文献だったか記憶を探る。


けれど目の前に当の妖精たちが居るのだ。手っ取り早く彼等の秘密が分かるかも知れないと、今は目の前に集中する事にした。


レオが思考を巡らせている間にも、小さな妖精たちは更なる事実を述べていく。


『受ける恩恵は際限無い…と言っても、その力は絶大です。私たちも全ての恩恵を受けられるとは限りません。』


青の少年の両サイドにそれぞれ赤の少女と紫の少女が並んだ。


『私たちが放つ色光を見て分かるように、器毎に受ける恩恵が区切られている者がいます。』


『キャラキャラ、あたしはそうね、熱や炎よ!』


『ケタケタ…僕は幻覚、毒。』


『私は癒し、水ですね。

このように、区切られた力に特化しています。』


「ではそうでは無い者も居るんだな?」


クロードは後方で彼女を治療している、金眼の彼に目を向けた。


『…ああ、また主は特殊と言いますか…クスクス…って!

気安く竜族が話し掛けないでもらえますか?!』


先程までフェンと穏やかに会話していたのに、クロードが口を挟んだ途端、小さな妖精達は一斉に表情を崩した。


『キャラキャラ、あたし、特に竜族と獣人は野蛮だからきらーい!』


『僕は魔人。…打算的で野心家。』


『クスクス…私は妖精族以外の全て、ですね。

大体、この場で同じ空気を吸って、“話し掛けてあげる”事までしているのです!会話なんてとんでもない!』


フェンを助ける手筈では無かったのか。小さな3色の妖精達はフェンそっちのけで怒りを爆発させた。

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