怠惰

暑さだけなら夏なのだけれど、そういうことを言っているんじゃない

１０連休が終わらない。

そのことに気が付いたのは、ＧＷ最終日である７日の深夜だ。いや、本来ならば７日であるはずの深夜であり、実際には４月２７日の深夜だったのだが、とにかく、６日を過ぎたあとの夜中だった。

入る前までは長いものだと思っていたＧＷも、いざ入ってみればあっという間だった。感慨に浸りつつ、なにをするのが最適解かを考える。しかし、あと半日でしたいことなど思い浮かばず、諦めて襲い来る睡魔に身を委ねた。

目が覚めた時には、外は真っ暗になっていた。急いでカーテンを閉め、スマートフォンで時刻を確認する。画面を見て一瞬。それこそ０，１秒の間、表示されている日時が理解出来なかった。表示されている日時は、４月２７日。まだ令和にもなっていない日付である。寝ぼけているのだろうか。そう思い目元をこすってみても、表示されるのは同じ４月２７日という文字。念のため水で顔を洗ってみても、画面を一度ロックしてから再び解除してみても、電源の再起動を試みても、４月２７日が表示されるのみだった。

おかしいと思い、ＳＮＳを起動する。ＴＬ上にはいつものごとく好きなことを語っている人間しかいなかったので、検索窓にＧＷと打ち込み結果をスクロールする。そこには今から始まる１０連休に対する期待のこもった言葉ばかりが並んでいた。おそるおそるＴＬを見返せば、そこには既に流れたはずの文面が並んでいた。この前いいねを押したはずの友人のイラストに、自らはまだいいねを押していなかった。

やはりここは４月２７日で、時間が巻き戻っているのだと理解するのに時間はかからなかった。しかし、別に嫌な気はしなかった。これが怒濤の１０連勤のループだったら絶望的だが、今回は連休の繰り返しなのだ。見たいと思っても見れなかった作品でも見ようかと思い、動画配信サービスのページを開いた。

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終わらない１０連休を繰り返し、６度目に入った。途中で送られてくる友人からの誘いを断ったり、逆になかなか会うことのない友人を誘ったりすればループが解けるのではないのかと思ったが、そんなことはなく連休は繰り返されていく。どうすればループから抜け出せるのだろうかと考えるが、そのたびに抜け出す必要があるのかと思い直し、別にいいやと現状に甘んじる。

だってそうだろう、労働はなんであれ苦しい。働かなくて良いのならそれがいい。何度も令和が発表されるのも、ループしているのだなと思えて感慨深くなってきた。

しいて言えば、もう夏の匂いが肺に入ってきていいはずなのに、一向に感じられないのは少し不服ではある。