夢中
夢の中で私は溺れていた。
それはまさに父を失った
心境そのものだった。
このまま死んでしまうのかと覚悟した。
しかし死ぬことにはならなかった。
溺れていた私は救い上げられ
抱きしめられていた。
はっきりとは覚えていないのだが
そのように感じられた。
この世に生まれ落ちてから
常につき纏い続ける不安から
護られているようだった。
言葉をかけられたのだが
起きてすぐには思い出せなかった。
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