洞窟

近づくとやはり滝の裏側に

ぽっかりと穴があいている。


導かれるように穴に入ってから

明かりの準備を忘れたことに気づいた。


引き返して準備をしようかと思ったのだが

何故か奥までかすかに見えている。


後から知ったのだが

洞窟の天井が蓄光石だったのだ。


洞窟というものに入ったのが初めてなのだが

不思議なほど真っ直ぐに道が続いていた。


思ったより広く横の壁まで見えにくいのだが

とにかく真っ直ぐ続く限り進み続けると

先が明るくなってきた。


行き止まりには一際明るく輝く

巨石があった。


一目見ただけで只事ではなかった。


私はその巨石を背に腰を下ろした。


そしてがむしゃらに父を探し続けた

この一月を振り返りながら

救われない気持ちのまま

眠りに落ちていった。

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