第3話 おれはたなこ
おれはおおやのアパートに住んでいる。それで、おまえは何だと聞かれたら、おれはたなこだとつぶやいている。おおやのアパートに扉はあるが、鍵はついていない。
2階建てて合計で六つの扉がある、おれは1階の右側に住んでいるが、他に住んでいるやつはいない。おれは、ここに住み始めて2年目になるが、家賃はあまり払っていない。このアパートを正面からよく見ると、長辺形ではなく、平行四辺形に傾いている。それで寝るときは部屋の真ん中で寝るのだが、朝起きるといつも同じ壁際になっている。家は寝るだけなので、これで十分だ。
おおやは17回目の首のわけを、おれがなかなか言い出さないので、ちょっといらいらしはじめて、欠け茶碗のお茶をグイと飲んだ。おおやがグイと飲んだときは危ない。説教が始まる。説教が長い。おれは説教を聞くのは3分が限界だ。それ以上は何を言っているのか分からなくなる。
それで、何をどう言っていいのか分からないのだが、とりあえず話始めることにした。
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