第52話 憧れのアレに搭乗する
「そういえば
すこし前の光景を思い出す。父が来なければその場で確認しようかと思ってたんだよね。
「まー死んだと思い込んでたむかつく女がピンピンしてたんだから驚くんじゃないの?」
しかし
でも、今聞き出そうと思っても適当にはぐらかされそうな気がするし話してくれる日を待つしかないか…………。
「そうだ! 目が覚めたら先生が話があるって言ってたんだ」
いま思い出したと言わんばかりにそう叫んだが、多分話題転換の為だろう。
「みんな向こうで待っているんだよ。早くいこ」
そう言って僕の腕を掴みぐいぐい引っ張る。ますます怪しい。
そー言えば
▲△▲△▲△▲△▲△▲
皆の待つ場所に着いたら五つ櫓が組んであり、それぞれに
そういえば操縦方法を教えてもらう約束していたなーとか思い出す。
「
僕の存在に気が付いた
勝手するわけにもいかないので師匠を待っていると、
「二人とも待ってたぞ。まずはそこの倉庫でこいつに着替えてこい」
そう言って師匠が投げ寄越した袋を受け取り指示通りに倉庫へと移動する。
袋を開け中身を確認すると…………。
「全身タイツ?」
取り出したそれは素材がよくわからないがかなり伸び縮みするようだ。ご丁寧に壁に身に着け方が載っているので見ながら着替えていく。この全身タイツのような騎乗スーツは下着の着用すら禁止で身に着けると体形が…………いや、なんか、裸より恥ずかしい。それに革製の防具を身に着けることで人前に出られる格好になる。
「待ちくたびれてる奴が居るからさっさと
戻ってくるなり師匠に指示された。いそいそと
座面が堅そうな
一通り観察し
あれ? そういえばセシリーと
周囲を見回してみるとこの演習場に隣接する野外炊事場で
師匠の指示で、まずは起動装置も兼ねている
その後
あ、胸部にある
この状態でようやく動かすことが可能になる。
次に
「問題がないようなら
師匠の声と共に
これでようやく動かすことが可能となる。
基本は
では、左右の
人体に似せているとはいえ構造の違いから騎体の可動範囲を覚えておくのも重要だ。更に
その後、師匠の指示通りに四苦八苦しながら騎体を動かしていると急激に脱力感に襲われ操縦を止めてしまった。
「やっぱ、その騎乗スーツは余計だったか」
師匠の説明によるとこの騎乗スーツと専用の
という事は初心者でこれだけ動けるという事は僕らはみんな適性が高いという事か。だがそれとこの脱力感の関連性は?
その疑問は次の師匠の説明で晴れた。
「騎体を動かすのに
「適性は十分すぎるほどあるのは分かったんで、休息後は騎乗スーツは脱いで動かしてみよう」
師匠の号令でその場で駐騎姿勢、ようするに片膝立ちをとる。
「取りあえず着替えてこい。それからメシだ」
そう伝えた師匠は他の
何故か
平服に着替え広場というか演習場に戻ってみると
座学で聞いた知識を思い出す。
駐騎姿勢の
「誰かこいつに乗ってみるか?」
「俺がいきます!」
真っ先に手を挙げたのは
師匠から説明をされいざ起動となったとき、拡声器越しにこの世のものとは思えない絶叫が上がった。
「あ、やっぱダメか」
師匠がそんな事を呟いている。
この精神接続だが
師匠曰く、「異世界人ならいけるかなって思ったけどダメだったな」いう割とひどい理由だ。
魔法の適性と比例するという研究結果もあるそうなので僕か
「師匠、次は僕が」
そう名乗りを上げた。まさか
「思った以上に狭いな…………」
それ以上に予想外だったのがてっきり完全密閉かと思ったが、ところどころ隙間があって外が見える事だ。傍にいた師匠の説明によると衝撃で
そのせいか稀に隙間から狙撃されることがあるそうだ。
高級機になると完全密閉で
さて…………先ずは起動させてみよう。
「あれ?」
まだ起動キーとも言うべき
「
師匠の言う興奮とはもちろん性的な意味ではない。
精神の高揚を示すものだ。それは間違っていない。起動したが特に脳に干渉されているという感覚はない。それを師匠に伝えると…………。
「お前さんは稀に見る逸材だな。
師匠はそこで一旦言葉を切り、「動かしてみろ」そう言うと
先ずは駐機姿勢から立つことをイメージする。右の
「ちゃんと
そーいや忘れていた。
密閉型の
「おー!」
ただこの騎体…………安物っぽいのか
好きに動かしてみろという師匠の許可も出たので歩いてみることにした。
程なくして走る事も出来るようになったので、以前座学で習った
最初は右手の拳に
最初は何事かと思ったが自分が浮かれていて肝心なことを忘れていた事に思い至った。
「そうだ。
すぐさま
身体で覚えている動作と僕のイメージがイマイチ噛み合っていないせいだ。
何度か転びそうになりながらもチャレンジすること五分ほどでうまく調整できたのかイメージ通りの動きが出来た。
ならここは更なる大技【
虚脱感と共に崩れ落ちるように前のめりに倒れていくのを認識した。
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