第47話 利用されようとしたらしい?
ベッドに腰掛け
「
「
伸ばされた
「————話は最後まで聞く事。施した恩が巡り巡って自分に帰ってくるって信じるのはいいの。でもそれは同じ世界にいるからだと思うのよ。私たちが先生やマリアちゃんに恩を受けそれを返す事は出来るかもだけど、身請けした子たちは元の世界に帰って二度とこの世界には来ないわ。今回降って湧いたように私たちが手にしたお金は庶民なら稼ぐのに20年はかかるというわ。庶民の
「あ————」
そうだ、なんで失念していた。やはり良いことをする自分という状況に
「そうだ、
「6万ガルドだったよ」
「結構安い。私と
一人頭金貨五枚かー。
それでも本来の価格からは遙かに安いわけだけど。売れなった理由は意思疎通が難しいだけなんだろうか?
「今日は仕方ないけどあと5万ガルドだけ使おう。それでも非常時のお金は残るしね」
そう
「そうだ、聞いてよ。
僕の思案は
「ペット枠って…………。どんな子? 僕も
観察する間もなく除外しちゃったんだけど、やっぱ
「————ん。犬耳&犬しっぽの10歳くらいの可愛い女の子だったよ」
人差し指を顎に当て少し考えこむような仕草の後にそう口にした。
それはアリかもしれないな。
あれ? もしかして一緒に行動してたの?
そんな僕の思いが顔に出たのか、
「なに?
ニヤニヤした
「痛っ」
「なんにしてもありがとう。冷静になれたと思うし、もう大丈夫」
そう言って立ち上がると————。
「ただいま」
玄関が開きそこには
「
僕が口を開くより先に師匠が話を切り出してきた。やっぱ昨夜の件だろうか?
例のお守りの件もあるし丁度いい。
「僕も話があります」
▲△▲△▲△▲△▲△▲
「————ここらでいいか」
そう言って立ち止まったところは噴水のある広場だった。流石富裕層向けというべきかライトアップまでされている。
「受け取れ」
師匠はそう言うと
慌ててそれを受け取ると————。
「
それは白鞘の
「抜いて見ろ」
そう言われ鯉口を切る。
「…………」
その刃は美しかった。自分の語彙力のなさを悲観したくなるくらいに美しい刃紋と光の反射の融和が感じ取れる。以前拝んだ国宝に勝るとも劣らないだろう。
「バルドの作だ。駅舎街でよい金属が手に入ったから試し打ちしたそうだ。売り物ではないので
高級品どころじゃない。これ最低でも[大業物]以上だ。
「さて、本題に入ろう」
僕が白鞘の
ついに説教かーとか思って身構えていると————。
「昨日貰ったものを出すんだ」
昨日貰ったもの? もしかしてあの半透明の青年が置いていった御守りの事だろうか?
まーどのみちコレの事を聞きたかったので丁度いいや。
ポケットに入れてあったソレを取り出し師匠に渡す。それを受け取った師匠はしばらく様々な角度から眺めると突然それを空中へと放る。
「えっ」
無数の光閃が走り御守りを切り刻んでいく。そしてボロリと落ちたその御守りだったものから黒い粒子のようなものが立ち上り消えていった。
「師匠…………。あれはなんです?」
黒イコール悪いってイメージが染みついてるせいか不安に駆られてしまう。
「どういう経緯で目を付けられたか分からないが[黒の賢者]に目を付けられたな」
なんか厨二っぽい名前が出たぞ。
「なんですか、その[黒の賢者]って?」
「南方地域の端にあるアサディアス王国という国がある。そこの神の英知を授けられたと謳う
一度師匠は言葉を切り少し考えこむ。
「
師匠が真顔でそんなことを言う。
「これからこの大陸は荒れ始める。いろいろな連中が悪さを始める。
脱出と言ってもなーとか考えていたのだが、肝心なことを聞き忘れていたので質問してみた。
「この御守りと称する
そんな恐ろしい回答が返ってきた。これからは人からモノを貰うときは気を付けよう。
兎に角身辺に気を付けるようにと注意を受けた。
最後に御守りと称して
「明日も頑張れよ」
師匠はそう言うと去っていった。
とりあえず明日は
だが、黒の賢者とやらはどういった経緯で僕という存在に目をつけたのだろう?
そこが謎だ。
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