第32話 秘密
「「「でけー!!」」」
停車中の
まず車輛一輌からしてデカイ。
幅は
因みに
だが物流の主力はやはり海運なのだそうだ。
そういえば線路などの維持はやはり魔法か何かなのだろうか?
分からなければネットで検索の感覚で師匠に聞いたみた。
そして返ってきた回答は、古代帝国時代の都市機能や
今後は数多くの
駅での
「夕食は
そう言って
「師匠。どこ行くんです?」
まさか師匠が…………とは思いたくないが聞いてみた。
「
「いえ、色々見て回りたいんでいいです」
すいません師匠。てっきり人気のないところに連れ込んであんなことやこんなことを強要するんじゃないかとちょっぴり疑いました。ほんのちょっぴりですよ?
駅では先ほどの騒動が片付き
揉めた原因は
それを見た師匠が
積み込みの監督をしている樽型体形の人…………
「小僧。興味でもあるのか?」
僕らの存在に気が付いたバルドさんが声をかけてきた。丁度いいのでなぜ買い取ったのか聞いてみることにした。
「このクズ石呼ばわりされた鉱石は
なんでも
材質としては耐熱性と硬度と耐久性が最高水準という矛盾した存在であり、錆びないうえに
防具にした場合はまず普通の刀剣では切断されない。また衝撃吸収力も高く鈍器等にも効果が高いとの事だ。ファンタジー素材のオリハルコンかアダマンタイトって感じだろうか?
なんかすげー
「これだけの鉱石でどれくらいの
そう聞いてみると
「ヴァルザスからの許可が出たら武具を
と言ってくれたので、「その時は是非」と答えておいた。
バルドさんと別れてフラフラと街を歩いている。
食品加工場を過ぎ、広大な倉庫街を抜けると開けた場所にでた。どうやら街から出てしまったようだ。
少し離れたところに師匠と
「なんだ。結局見に来たのか」
僕らに気が付いた師匠がそう声をかけてきた。
「あの娘は
唐突にそんなことを聞いてきた。
え? もしかして本気で狙ってるの? とか思ったのが顔に出たらしく拳骨を落とされた。
しばし頭を押さえて悶絶した後に師匠がこう切り出した。
「武家は末席まで血統操作で結婚相手を決められてるだろう?」
当然師匠も知っている。
「そうですね」
何が言いたいのかわからないけど相槌を打っておく。
「あー確か珍しく12歳で結婚相手が決まったとか、中等部卒業と同時に挙式とかで
普通は14歳から15歳くらいの間にこっそりと決まって告知されるのが17歳くらいって言うのが普通なんだよね。
「ふむ…………。戻っても大差なしだが…………それでも人道的に…………」
師匠がそう小声で呟いた。一部聞き取れなかったがなんか不穏なことを言った気がした。
「これからする話は、本人にも説明するがそれ以外は俺と
そう前置きして師匠が語りだした。
適性検査はある程度終わっていて、あとは懸念案件の確認のみだと告げられた。
肉体的には手先が器用で反射神経が抜群に良い。知覚力も記憶力も優秀だ。半面
恐ろしく視力がよく、動体視力も優れていて
だが問題はそれではない。
「恐ろしく
どういうことだろう?
「それが何か拙いのですか?」
「男なら喜ぶ奴もいるんだが…………。こっちの世界の王族や貴族の継承の話はしたっけか?」
師匠に問われてちょっと記憶を探る。
「あーありますね。確か
あれ? まさか…………。
「同じような素養の男なら
師匠はそう吐き捨てるように言った。
嫌な予想が当たってしまった…………。
「人権のなんてモンが軽すぎるこっちの世界よりはまだ元の世界の方がマシかもしれん」
何が言いたいか分かってきた。
「僕に
師匠は首を振って否定する。
「あの娘は意外と根性も据わっている。まず戻らんよ。戻りたくない理由は婚約者がよほど酷い奴なのか、どっかの誰かと同じで既に意中の相手がいるのか…………」
どっかの誰かねぇ…………。どこにいるか判らない同級生とかかな?
これはそれまで僕が責任取って守ってやれよって流れかー。
「わかりました。自立できるまでは僕が責任をもって守ります」
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