第14話 突撃
「激情に任せての無謀な突撃は感心しないな…………」
そうだ! まずは状況を確認しないと!
かなり暗くなってきていて判別できないが、体長
「あれって大きさがバグってるけど蟻じゃないの?」
「ああ、それだ!」
「あれって
またしても
古典ラノベ愛読の同志である
できれば予想通りでないといいなという淡い気持ちがある。信じたくないというのが正解なのだが…………。
「当たって砕けろだ!」
そう叫ぶと僕は
「いや、砕けたらダメだろ!」
「後で怒られても知らないからね」
走りにくい木々の合間を縫うように走り、まずは先頭で同志
「先手必勝!」
握り締めた
命中はしたが、硬い手ごたえがあった。強固な外殻に僅かだが傷が入る。斬るのは難しそうだが
続けてもう一撃を袈裟斬りで頭部に叩きつけたが頭部の表面を滑るように刀身が流れていき、後には僅かに外殻が傷ついただけだった。使い慣れない武器のせいか思うように使い熟せていない。
「えいっ!」
「おりゃぁぁぁぁ!!」
他の
「なんだいけるじゃん! そっちは二人に任せた!」
使い慣れない武具に戦闘スタイルの違い、足場の悪さと、空気の薄さと非常にやりにくい。
その後何度か打撃を与えたものの硬い外殻に傷はつけられるが決定打にならず
そうこうしているうちに5分近く攻防が続き流石に息が切れてきた。
「
そして呼吸を整え無言で…………。
全体重を乗せた
「これで止めだぁぁぁぁ!!」
しかし僕の渾身の突きは頭部の外殻で滑って見事に外れた…………。
勢い余って
しかし、いつになっても痛みがこない。
目を開けてみると目の前に首を落とされた
「あれ? 生きてる?」
てっきり頭部を大顎で砕かれるかと思ったのに…………。
「良かったぁ」
泣きそうになっている
「根っこなどで足場が悪いこの場での初戦闘としてはまずまずだな。ただ足元に気がいってるのか手打が多かったな。後はそうだな…………回避能力も悪くはなかったが、意識が足元にいっててやや危なっかしかった。それと左腕で庇う癖でもあるのか? あれはいただけない。それと最後の突き自体は悪くないがもう少し狙いを考えないとな。あの突きは外したら後はないと思って必殺のつもりでやれ。あと…………最後あきらめたな? あれは絶対にやってはいけない一番駄目な行為だ」
そう先ほどの僕の戦闘を評したのはもちろん師匠である。だがその師匠との距離は
「師匠はどうやって首を…………」
「そっちも終わったか」
余分な
「そういえばヴァルザスさん。
そう言って
「ほう…………。
そう言って師匠は戦闘中も放っておかれた
「応急手当は学校で習ったか?」
僕にやれって事か…………。「習いました」と返事をして確認作業に入る。
「呼吸も脈もあります。外傷は打撲と擦過傷がいくつかありますが、これは引きずられたせいでしょうか?」
確認した内容を師匠に報告して返答を待つ。
「その見立ては問題ないが…………」
そういう師匠は
「わかるか?」
そう質問した。
何を分かるというのだろうか? 無い知恵を絞って考えていると、
「…………衰弱しているように感じます」
師匠に質問されてからたっぷり2分ほど思案して
衰弱までは流石に分からなかった…………あれ?。なんで
「
師匠が
「
「
そう師匠は断言した。
「
周囲に対象の精霊力がなければ使えないなどの制約がある。
あれ? もしかして僕だけ役立たず?
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