第13話 決定打の轟き

「右異常なし。」

「左異常なし。」

「よし、簡単に現状確認を行う。現在俺らはこの間の艦長キラメティアの破壊任務を遂行中である。さっきの戦闘でどれぐらいの装備を消費したか各自報告。負傷したものは程度の大小関係なく報告すること。」

「まずはサージャルタンの4人から。」

「ライフルの弾丸を20発程度使いました。けがはありません。」

「同じく17発使いました。けがなしです。」

「同じく20発程度です。」

「自分も同じです。」

「プラタナスはどうだ。」

「僕は30発ぐらいかな。けがはないよ。」

「私は10発程度です。けがはありません。」

「よし、分かった。次は倉庫へ向かおう。」


状況確認を済ませると、リギーダはタイマーをセットし始めた。

「俺らに残された時間はおよそ10分。その間に倉庫で補充を行い艦橋の一番上までたどり着く。」

「了解!」

「よし、行くぞ。もたもたするなよ!」

リギーダの指示でパーティー全員の気持ちが引き締められた。


来た道を全力で戻る。

道はクリア済みなので安全に走り回れるが、気を抜くことはできない。


「ありました、ここです。」

サージャルタンの局員の一人が大声を上げた。


「じゃあ装備の補充を始めよう、ここに無い不足品に関しては手持ちの簡易溶接キットで簡単な加工をしてくれ。」


片っ端から箱を漁る。手投げ弾や銃のアタッチメント、予備の弾薬などの戦闘用アイテムがつまっている。

「どうだ、何か使えそうなものはありそうか?」

「弾丸のケース接続部分のところを改造すれば使えそうです。」

「そうか、あと3分でここを出るぞ、できるだけ多く補充しておくんだ。」


ジジジジ....  バリバリバリ....


使えそうな装備を自分たち用に改造する。残り時間はわずか。


「時間だ、行くぞ。」


部屋を出て戻ってきた道を戻る。

「リギーダさん、おそらくこの上です。」

「そうみたいだな、チャル、煙幕を使おう。」


このドアを開けたらこの艦の艦長がいるのか...

さっき戦った巨大なキラメティアは強かったのに、あのキラメティアよりも強いなんて、私たち、勝てるのかな....


「チャル、大丈夫か、突入するぞ。」

「はい」


リギーダのカウントが0になった瞬間、ドアに着けた起爆剤が爆発した。

「チャル!今だ!」


煙幕を投げると、チームの局員たちは暗視用のレンズに切り替えた。


「突入だ、いけいけいけ!」


部屋に入った瞬間、煙幕の煙が一瞬で消えてしまった。


「な、なんだ....」


「こんな小癪な手が通用すると思ったのか?流石エスケイパーどもだ、考えることのレベルが低い。そして卑怯だ。」


目の前にはアラランダとは格が違いすぎるようなオーラを放ったキラメティアが立っていた。

プレッシャーを放ちすぎていて、近づくことができない。

「お前ら、ここに何しに来たんだ?俺、キャプテン・ジャジャバイに勝てるとでも思っているのか?もしそうなら残念だ。今日がお前らの命日で、ここがお前らの墓場だ!」

ジャジャバイの体が光ると、サージャルタンの局員たちが倒れていた。

「おぉ、これはやばいな。リギーダどうする。」

「三人ばらけて多方面から攻撃をする。」


チャルとルーガットは壁沿いに走り始めた。

「お前ら雑魚どもがどんな作戦立てたって無駄なんだよっ」

ジャジャバイの腕から大量のミサイルが発射される。


「防核展開!」


バババババババババババーン


「っち、仕留め損ねたか、次は仕留める。」


ジャジャバイの腹が光り始めた。


キュイーーーーーーーン キュイーーーーーーーン キュイーーーーーーーン


「物陰に隠れるんだ!」


ギュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン


無数のレーザー光線が部屋の中を乱反射する。


キンキンキンキンキン


「ぐあぁっ」

「ルーガットさん!」

「僕は一先ず撤退する。二人は無理をしないように。」


「チャル、俺が時間を稼ぐ、そのうちに対超級機械人七式ライフルを組み立てるんだ。」


「ああん?何をコソコソ話てるんだ、ごちゃごちゃうるせええええええええ」


ジャジャバイの腹がまた光始める


「次はもっとでっかいのをお見舞いしてやるぜ。」


「今のうちだ!」

リギーダは光る敵の腹めがけて走り始めた。

「こいつのチャージ中を狙うんだ!」

「はい!」


ガチャリガチャリ


普段キラメティアに使うライフルよりもさらに大きなライフルを組み立てる。


「うおおおおおおおおおおおおおお」

リギーダはジャジャバイの腹に刀剣をぶっ刺した。

「てめぇ....なにしてんだあああああああああああああああああ」

ジャジャバイの逆鱗に触れたと同時に体内のエネルギーが暴発を始めた・


「準備完了です。」

「いまだ、チャル!」

「発射!」


キュキュキュキュキュキュキュキュ ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン


ジャジャバイめがけて七式ライフルのレーザービームが飛んでいく。


「なっ」


ゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリゴリ


ジジジジジジジジジジジジジジジジジジジ


「ぐああああああああああああああ」


ドッカアアアアアアン


バタン


その横たわった巨体には大きな穴が開いている。


「なんとか、やったみたいだな....」


「リギーダさん、大丈夫ですか!」


「なんとか無事みたいだな、この防壁は使い物にならなそうだが。」


「それよりチャル、早くこの船を出るぞ。まだ敵は処理しきってないからな。」


二人は部屋の出口まで走った。部屋の外にはルーガットが座り込んでいた。


「大丈夫か、ルーガット。」


「応急処置はやったんだけどね、うまく血が止まってないみたいなんだ....」


「チャル、俺の荷物を頼んだ。ルーガットは俺が背負う。」


「行くぞ」


戦いの疲労を出すことも忘れて元来た道を走り続け、偵察艇まで戻ってきた。


ザザー「こちらチームプラタナス隊長リギーダだ。ターゲットの艦長を殲滅したこれより艦隊に合流する。」


ザザー「こちら指令室、了解した。よくやってくれた、こちらも戦闘終了だ。これより資材回収に入る、貴君らは一番艦に帰還してもらいたい。」


「任務完了だ。よくやってくれた、チャル、ルーガット。」


「リギーダさんのおかげです。」



三人はサージャルタン艦隊の艦に帰還後、ルーガットの処置をしサージャルタンの艦隊とともにバンバルディアへと帰還した。







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