第12話 さらなる追い打ち
〇月〇日
今日からは主にゲリラ戦を行うことにした。あいつらは空にいるにもかかわらずエネルギー切れを起こす兆候すらない。一体どれだけの燃料を積んで空へ飛び立ったのか。それとも、何か特殊なエンジンやボイラーなんかを積んでいるのだろうか。
平然として大空を占拠している。俺らがいくら基地を築き攻撃を仕掛けようとしても、空から鉄の塊を落としてきては破壊されるの繰り返しだ。それを改善するために、機動力の高い少数部隊を編成して多方面からの対空砲撃をすることにした。
当分の間は我々の勢力が壊滅的な大ダメージを受けるまではこの作戦でいくだろう。
- 反撃軍中枢兵の報告書より -
「では、頼みました。」
「了解です。すぐに手当てをします。」
シャラザを援軍の船に乗せると、三人は応援部隊4人借りて先を急いだ。
「よし、この先の部屋を抜けて早く指令室に向かおう。」
「リギーダさん、まずは装備の補充をしてはいかがでしょう。私たちが応援に来る前に大型のキラメティアを処理していると聞きました。ここは一度休息をとり体力を回復するべきだと思います。三人の休憩中私たちが周囲の警戒をしますのでそこの部屋の中で休まれてはいかがでしょう。」
そう話したのは、サージャルタンの応援部隊の一人だった。
「そうだな、5分間の休憩に入る。各自装備補充をしておくように。」
リギーダは安全な部屋を見つけて休憩をとることにした。
部屋に入ると箱がたくさん棚にしまわれてた。
「どうやら倉庫みたいですね。」
「ルーガット、チャル、この部屋で使えそうなものを一通り漁っておこう。さっきから言っている通りこれから敵の中枢に侵入する。途中で装備が切れたらそこで終了だ。何としても任務を遂行するために装備の補充は肝心だ。」
「了解。」
箱を開けると、見たことない金属パーツが入っている。
「ルーガットさん、これなんですか?」
「こ、これは。リギーダ、キラメティアのパーツだ。」
ルーガットが箱から取り出したものには、指のようなものがついている。
「ルーガット、これを解析器にかけてデータをとってくれ。敵の構造を知る絶好の機会だ。」
「解析終了しました。」
「よし、他の箱を漁ろう。弾薬でもあればいいんだが。」
しかし他の箱を漁るも、特にこれといった武器はなかった。
「よし、先へ進むぞ。」
部屋を出ると、廊下で三人が銃撃戦をしていた。
「大変です。キラメティアの小隊に見つかりました。」
「俺らも参加しよう。手榴弾を投げる、伏せろ。」
ピンを抜き手榴弾を投げる。
ドカーーーン
煙幕から銃弾は飛んでこなくなった。
「まだ生きてるかもしれない。注意しろ。」
「了解。」
どうやら接敵したキラメティアは全部破壊できたようだった。
「よし、進もう。」
アラランダを倒した部屋を抜けると階段が見えてきた。
「上の階へ進むぞ。」
上の階は特に敵の雰囲気がしない。
上の階に上がり続けて最上階まで来た時、サージャルタンの隊員が合図を出した。
「止まれ」
どうやら、何かを確認したらしい。
一度下の階に戻ることにした。
「何があったんだ、報告を頼む。」
「それが、通路がふさがれていたんです。一面に広がったキラメティアがいたんです。」
「なんだそれは、新種か?そんなものは聞いたことがない。」
「でも、本当なんです。なので作戦を立てましょう。」
「わかった、でもまずは敵の様子を確認したい。」
「わかりました。」
そういうと、リギーダと応援部隊の隊長らしい隊員が上の階へ向かっていった。
帰ってくると、悩ましい顔をしていた。
「どうでしたか?」サージャルタンの隊員が聞く。
「隊員育成学校でも見たことがない。心の浸食の後、体も浸食されたのかもしれない。」
「まずは重火器で叩いてみますか?」
「それも一つの案なんだが、あいつがふさいでいる通路の奥にどれぐらい厚いからだがあるのかもわからないしな。」
するとルーガットが提案をした。
「このライフルのアタッチメントを変えてレーザーガンで焼き切るのはどうだろうか。」
「なるほど、その手があったか!」
「通路の床や天井から切り離せば側面に空いた穴に爆薬を投げ込むことができるというわけですか。」
「しかし、そうやって改造するか....」
「さっきの倉庫でなにか使えそうなものはなかったですかね?一度戻って在庫を漁ってみませんか?」
「そうだな、ここは一旦撤退だ。」
ザザー「こちら、サージャルタン東方面艦隊旗艦通信室。現在、敵の小型艦隊が接近中。艦影は4隻確認。我々も応援部隊を要請中であるが、時間を稼ぐ必要があるため、現在ターゲットにて任務遂行中の部隊の一部に引き上げ命令を出した。貴君らには引き続きターゲット内にて任務を遂行してもらいたい。現状報告によると船内の残存敵戦力は15%ととの報告が来ている。速やかに敵戦力を壊滅させ、部品を回収し、帰還してもらいたい。これより我々は敵艦との交戦に入る予定であるため、これより無線封鎖を行う。貴君らの武運を願っている。」 ザザー
「おいおい、どういうことだよ、これ。」
「俺ら、置いてかれたってことか!」
サージャルタンの局員たちは慌てだした。
「落ち着け!」
リギーダが喝を入れる。
「慌ててもしょうがない。まずは冷静になるんだ!」
サージャルタンの局員たちは一気に静まり返った。
「まずは現状の確認しよう。俺らが持ってる装備と残り時間を確認だ。そのあと倉庫に戻って必要な装備を補充しよう。」
「了解。」
「チャル、サージャルタンのみんな、指示を聞いたね?まずは安全を確保しよう。」
「よし、作業開始だ!」
残り時間の少ない私たちはターゲットの艦長を討伐し船を制圧することができるのだろうか。敵艦がこの空域に到達するまでに何とかしないと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます