第7話 平和の鍵
ここにもないか、とうとう浄化装置のフィルターの替えがなくなった。もうおわりだ。もう終わりなら、最後の最後までこの調査を続けよう。これを見つけた誰かに託すために。
- ある調査員の日記より -
船が帰還し、隊員たちが支部へと帰還した。
「バチア下級一等局員ただいま帰還しました。」
つづけて三人の隊員が部屋に入ってきた。「ルシャ三等局員、帰還しました。」「ジャナ三等局員帰還しました。」「クルバ四等局員帰還しました。」
「紹介しよう、こいつらは俺のパーティーの部下だ。」
「よろしくお願いします。」
「へ~この子がチャルちゃんね。私はルシャ、よろしく。」
「さっきの狙撃、なかなか高度なものでしたね。どこで訓練されたのですか?」
ジャナはライフルを棚にしまいながら質問した。
「前の現場で、アプティアス上級五等局員に教わりました。」
「もしかして、あの鬼のアプティアスにですか⁉」
局員階級には、最高局員を頂点としてそれに続く階級がある。
階級順としては
最高局長
準局長
上級一等局員
上級二等局員
上級三等局員
上級四等局員
上級五等局員
下級一等局員
下級二等局員
下級三等局員
下級四等局員
下級五等局員
の順だ。
アプティアスの上級五等局員から下級局員の指導が可能になる。
とくにアプティアス上級五等局員は局員教育は人一倍厳しいことで噂である。
バンバルディアのような俗にいう田舎の都市では、下級局員が支部長になることも珍しくない。
「お茶をどうぞ。」
「ありがとうございます。」
「私はクルバです、よろしくお願いします」
面倒見のよさそうなこの人は私と同じくらいの年齢だろうか。どこか通じそうなにおいがした。
「チャル、これを渡しておく。」
バチアがくれたのは無線機だった。
「緊急時はこれで招集をかける。作戦中のチャルのコードは...ん~プラタナスだ。」
「了解しました。」
「では、本日は帰ってよし。今回の出撃報告は俺がしておく。」
「ありがとうございました。」
支部を出て市場へ向かった。
町は先の事件があってからか、人があまり歩いてない。市場のテントもほとんど見かけないので、屋敷に戻ることにした。
「ただいまー」
「お帰りなさいませ~本日の夕食はできていますよ~」
ティナが出迎えてくれた。
「もう少ししたら下に行きます。」
「かしこまりました~」
私は二階へ向かった。
するとまた、ドアから青い光が漏れている。
今度こそ光の手掛かりをつかもうと、勢いよく扉を開けた。
しかし、本をどうすればいいのかわからない。とにかく本を開くことにした。
すると、目の前の風景がいきなり変わったのだった。
...誰かの記憶?見たことない場所だ。いつもより空が高い。
ん?誰か来る。なんだろう、なにか話してる。に、げ、ろ...逃げろ?
え?なに?何だあれ...
気づくと自分の部屋にいた。今のは一体何だったのだろうか。
誰かの記憶?
本はいつも通り汚い本に戻っていた。
とりあえず明日ギルドへ行こう。
暗い部屋の中でベッドに横になったのであった。
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