第16話:成人式

 成人式。それは、ぼっちにはきつい行事。別にぼっちだった訳じゃないけど…なんとなくサボりたい。てか、友人たちが悉くサボる宣言しているから、ぼっちになるの分かってて嫌だ。そもそもなんで知らないおじさんの話を聞いて、会いたくもない同級生に絡まれに行かなきゃいけないんだ。もちろん親には言えないけど。


「詩、すっごいきれい…。」こうの目はビー玉のように澄んできれいだ。あー、さっきの取り消し。と速攻憂鬱だった気持ちは飛んでいった。こうに言われたら嬉しくなってきたなんて、単純だな。とりあえずギリギリに行き、会場に入って式を適当に聞いて終わる。出てきた時に響がいた。


「詩写真とろ!」


「え、もしかして待ってたの?」


「うん!」会えるか分からないのに…頭いいのか悪いのか…。そもそもLINE送ればいいのにと思いながら写真を撮る。

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