第2話 魔法の世界
「驚いた・・・結晶がここまでない人間は初めて見る。特異的に結晶が漏れ出す結晶漏出を主に老人から見ることはあるがこんなにも若くに発症するケースはない」
「ドクター・・・」
グレンデルは心配そうに尋ねる
「それにこれは漏れ出したというより・・・奪い取られたと言ったほうが当てはまる気が・・・?」
「聞いてない・・・ねぇ、ドクター」
サリスはぶつぶつと何かを呟き続けグレンデルの声は届いてない。
グレンデルはすぅ、っと息を吸い込み
「ドクター!」
サリスの肩が跳ね上がる。
「おぉ、すまない考え事をしてしまっていたようだね」
「ドクター、結晶って?漏出?・・・奪い取られた?」
サリスは少し驚いた顔をした
「なるほど魔素や結晶といった知識も無いか。いいだろう説明しよう。まずは・・・【魔素】から話そう。魔素はこの空気中に存在する万物の源。すべての根幹だ。例えば、俺が着ている服。これは、服を形作るように魔法。命令された魔素だ。【魔法】で命令された魔素は、その魔法に応じた姿形になり可視化することもできる。人々の生活の基盤でもあるよ」
「じゃあ私やドクターももともとは、魔素?」
「鋭いな。その通り。死んだら魔素に還る。ただし、動物や植物、つまり生きているものは魔法じゃ作れない」
「魔素はわかった。結晶は?」
「【結晶】は魔素の一部で、記憶を形成しているものをいう。お前はこれがない。あとついでに体内魔素はもう一種類あってもう一つは、魔力呼ばれる。これがないと魔法は発動できない。ちなみに食事や休息で補給できるってことも忘れずにな」
「空気中魔素を直接取り込めないからご飯食べるの?」
「そんなところだ。にしても記憶無いのに随分じゃと平気そうだなぁ」
「平気じゃないよ?思い出せないから疑問がたくさん出てるだけ」
「ほかに疑問はあるのか?」
「うぅん・・・・・・あ、私は魔法使えないの?」
「おっと、この話は追々する予定なんだがな・・・まぁいい魔法を発動するには【恩恵】がいるんだ。発動する魔法の属性主キャスターからの許可みたいなもんだ。見せたほうが早いな」
グレンデルに離れるようにといったサリスは今まで手で弄んでいた杖を強く握り魔法を発動する。
「フレイ・ランタ」
そう言ったと同時に杖の先から小さな炎が上がる。
「すごいだろ~??これが魔法だ。魔力を消費して恩恵を活性化、周囲の魔素に炎を作るように命令を出したんだ。その命令するために言ったさっきの言葉が【呪文】と呼ばれる」
「わかった。私には恩恵はないみたいだから使えないことも」
グレンデルは頬を膨らませつつそう言う。
「恩恵を授からなくても魔法を発動する方法もあるんだがそれはまた今度」
と言いサリスは握りこぶしほどの石をグレンデルに渡す。
「握ってごらん。君の魔力がどの恩恵と相性がいいか調べられるよ。赤なら攻撃色。緑なら治癒色。青なら創造色、黄色なら強化色だ」
「私の相性・・・緑がうれしいかも・・・」
グレンデルがそういった次の瞬間手術室は白い光に包まれた。
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