第3話 意図的な悲劇

眩い光から目を覚ますと、そこはやけに静かな森の中だった。


「よし、まず町に向かおう。」


情報を集めることからでも遅くはないし、何もなしで向かうのも返って怪しまれる。装備などは最低限揃えたい。


まずスキルを見よう。


桜田レンの特典

1.模倣魔法

2.???LV10にて解放

3.???LV35にて解放


初期スキル

1.千里眼

2.魔力回復速度上昇(永続)


おお!

これは、とても幸運と言わざるを得ないだろう。

魔法特化タイプか、これならこの世界でも十分生きていけるだろう。

となると、適当なモンスターでも狩って路銀を稼ぐしかないな。


すると森の向こうから視線を感じる、どうやら俺の初の獲物が自分から狩られに来たらしい。


俺は戦闘に備える、まず模倣魔法で相手のスキルをパクリ撃退だ。


少しずつ、しかし着実と距離を縮めてくる。

刹那、俺は本能的にしゃがみ込んだ、するとその後を凄まじい速度で何かが通り過ぎていく。


なんだあれ!?


俺は疑問に思い、とっさに千里眼を発動させた。


デスイーターLV68


まだ名前とレベルだけでスキルやステータスは見えないが、少なくとも、1LVの俺が勝てる相手じゃない!


俺はとっさに逃げ出した、幸い、追跡まではしないらしく、振り切ることに成功した。

すると、森の奥にとてつもなくでかいお城を発見した。もしかしたら、王国軍の城かもしれない。


俺は城の門まで走り出した。

門には誰もいなく、やけに静かだった。

なので、中に入ろうとした時、強い衝撃を食らった、一撃で気絶を狙ったものだった。


「ク…ソ…」


最悪だ、転生していきなり負けるとかふざけんな、


「侵入者捕獲、直ちに拘束し、…様まで報告せよ」


俺はその声を最後に意識を失った。



_________________________________________

「おい、起きぬか阿呆め」

声がした、

「う、うん?あと五分…いや、一時間待ってくれ…。」

やはり朝は苦手だ…

「さっさと起きんか!」


「グフゴフェ!?」

誰だ!もっと優しく起こしてくれ!

「優しくだと?たわけ馬鹿者!我を誰だと思っているのじゃ!」

知らんわ……

「誰でもいいからちょっと水持ってきて…」


「水だと?良いじゃろう好きなだけ飲ましてやるわ」

そういうとその人は手を口を覆うように被せてくる、

「あの、水を持ってきてほゴボォ!?」

いきなり口の中に大量の水が流れ込んでくる、あまりの驚きに離れようとするが、後ろを手で抑えられて逃げることが出来ない!

「ほれ、水が飲みたいのだろう?死ぬまで好きなだけ飲むといいわ!」

ダメだ!息が出来ない!

「ゴボボボボォ!ガバァッ!ゴプププ…」

やべぇ、死ぬ…

「おっといかん、殺してはならんのだった。」

無限に水を生成していた悪魔の手がやっと離れ、溢れた水を吐き出し、空気を吸う。

み、水怖い…


「そんな睨むでない、水を飲みたがったのは貴様であろう?」


「限度ってもんがあるだろ…」


「妾にそんなものを要求するな、貴様なんぞに、遠慮も何もいらんであろう?侵入者よ、」

は?俺が侵入者?一体何を言っているのだ?

「なんだその目はもしや貴様、ここがどこか分からんというんじゃあるまいな?」

え、何それ怖い、大体想像できるから余計に怖い。

「ここは、ヴァンデット家の城、他からは恐れられ、今では、魔王城と呼ばれておるぞ、恐れ多い!ひれ伏すのじゃ!」

とにかく俺は土下座を行なった、クソ!あんのロリ野郎!覚えとけよ!


俺は初めてあって2日もしない人に殺意を持った。





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