第2話 任務開始①

任務開始当時…

俺はスタッフから仕事についての説明を受けていた。


「まず桜田さんが向かってもらうのは、第42惑星ノベリタス、作りは地球とよく似てて、ドラゴンや魔法が存在しています。まずそこで人類側について頂き、敵国である魔王軍を倒すために戦ってもらいます。能力は転送する際に付与されるので到着しましたら、ご確認下さい。それでは、転送を開始します。」


そういうとスタッフは転送室から出ていった。


やはり初仕事となると緊張するな、


転送室は、文字通り社員を異世界に送り渡すグランドゲートを管理しているところだ、


転送時に周囲に強力な電流が流れるので、今は俺以外誰もいない。


「それでは、転送を開始します。」


そういうとあたりが暗くなり、VRのような機械から無機質なアナウンスが流れ出す。


「同調率100パーセント、System all green」


「それでは、武運を祈るゾ」


ヤン所長の声がしたかと思うと、目の前が真っ白染まった。


……ここはどこだろう?


俺は白く、何もない空間に漂っていた。

おそらく転送にかかる情報を処理しているのだろう。


「…ケテ」


何か声がした気がした。

声のした方に意識を向けると、そこには誰かが座り込んでいた。


女の子だろうか?肩を震わせ、何かに耐えるように静かに座っていた。


「お母様、助けて…」


その声は何かに助けを求めているようだった。俺はほぼ無意識に少女に手を差し伸べていた。


多分それが原因なんだろうな、あのバグが発生してしまったことは。



_________________________________________


「いいのかい?何も忠告せず?」


男は彼女に聞いた。


「いいのサ、知らない方が幸せなことだってあるんだから。だってそうだろう?」

彼女、ヤン所長はどこか遠くを見つめながら、


「正義は勝つ、悪は滅びる。誰だってそう思うことダ。その考えが覆ることはないし、簡単に変えることは出来ない。どれだけ、正義が腐っていても、自国しか愛せず国民以外を人間としてすら見ない、そんな王国が正義だとしても。」


「ほう?それではなぜ、彼らを送るように仕向けたのかな?」


「確かにあまりにも不可能に近く、理不尽なことだって、不可能ではない。奇跡というのは、非科学的なものだが、バカには出来ない、実際そうするように仕向けたんダ。結末を待とうじゃないカ。」


それはどうしようもなく難題だ。


だが、やるだけの価値はある。


悪は正義に勝つことができる。


…やりようによってはな?


桜田レン、第42惑星ノベリタスに転送。

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