第1話 任務開始
冬も終わり、雪解けが進み、春の足音が聞こえるそんな時期、
俺、桜田レンは新入社員として、今日からこの異世界調整本部に出社する。
俺はここで業績を上げ、今頃エリートの仲間入りを果たすはずだったんだ。
あんな仕事を受けなければ。
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「ということで、君には第42惑星ノベリタスの調整任務にあたってもらうヨ」
俺の初仕事はいきなり調整なのか。入社する前に、筆記試験や、体力テストなど色々行ったのだが、それが基準になってるんだろうか?
…というより、
「ど〜しタ〜?レンたん、なんかあった?」
コイツ、子供だよな?
話には聞いていたけど、合法ロリだの、年齢不詳だの、冗談だと思っていたけど…
彼女の名前は、ヤン・ニー
どう見ても小学生にしか見えず、年齢不詳、ツインテールとチャイナ服を着た、これでもこの本部の最高幹部で所長だとか、
そんな方が俺にいきなりこんな大役を命ずるなんて、なんか俺悪いことしたかな?
「んーなんで俺がこんな仕事を任されたんだ?なんて思ってるでショ?」
どうやら俺の考えなんてお見通しらしい、さすが最高幹部と言われてるだけはある。
「はい、私はまだ入社したてでまだ調整任務をこなせるとは思いません。どうか、他をあたってもらえないでしょうか?」
「えー、いいじゃないカ。ちゃんとボーナスも出すし、会社での印象も上がると思うヨ?」
ふむ、確かに印象や功績は後々生きていくから、だが…
「もちろんこちらも全面バックアップするし、業務特典も出すからサ?引き受けてくれないかい?」
業務特典が付くのか!それなら安心かもしれない。
業務特典とは、任務に当たるによって出されるパラメーター調整でいわゆるチートという奴だ、俺も昔、ゲームでよく使ったものだ。
特典では、能力上昇や、武器、はては使い魔だったりと、ランダムだが、とても心強いものだ。
「わかりました。その任務受けさせていただきます。」
「おー!君ならそう言ってくれると思っていたヨ!それでは明日ごろに開始するから、今日は用意した部屋で休んでおいてくれヨ」
そういうと、ヤン所長は部屋を出て行った。
「……まったく、君もひどいものだな、ヤン」
そういうと黒いコートを着た男が彼女に目を向けた、それ目は、呆れ半分、興味半分のようだった。
「ひどいナ、それじゃあ私が悪者みたいじゃないカ。」
「ほう、新入したての社員に我々が手を焼いている惑星の調整を頼んだ君には言われたくないね。」
男はタバコをふかしながら苦笑した。
「見た感じ彼はそこまで秀でた才能があったわけでも無いだろう、なぜわざわざ彼にしたのだ?」
「勘だヨ、なんとなくだけど彼には面白い何があるみたいダ。利用しない手は無いだロ?」
男はタバコの揺れる火を見つめながら笑った
「まぁ、君が何をしようと関係ないが、一応一人、部下を送っておこう。」
そういって男は姿を消した、
「頼むゾ、レン君。君ならいけるだロ?」
彼女は静かに笑った。
しかしそんな事を知る由もなく、俺はボーナスのことで頭がいっぱいだった。
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