第15話

 永瀬くんが練習を見に来てくれてた。


 そのことはとても嬉しかった。少しでも興味を持ってくれてるんだって思えた。

 でも格好悪い所を見られてしまったのは少しへこむ……。

 そりゃ初心者だし、ある程度は練習に付いていけないのはわかってる。だけどもう入部してから2ヶ月経とうとしてるのに、基本的なことさえままならないこともある。


 ウリちゃんは優しく教えてくれるけど、ウリちゃんの教え方はなんというか、独特で、理解するのに時間がかかってしまう。

 ウリちゃん自身「教えるの苦手なんだぁ……ごめんね」と言っていた。


 でも、教えようとしてくれるだけでありがたいし嬉しい。

 それに私が不器用で、見て盗むってことができないのが良くないんだ。

 永瀬くんは充分頑張ってるって言ってくれたけど……。

 ううん、本音を言えばやっぱりもっと先輩たちに色々教えて欲しいよ。どうして何も言ってくれないんだろう。


 私に問題があるのか、先輩に問題があるのか。もしかしたら、チームそのものに問題が……?

 いや、それは考えすぎかな……。

 それにしても、せっかく念願のバスケ部に入部できたのに、全然うまくいかない。


 やっぱり永瀬くんに部活に来てほしい。この学校で永瀬くんに会えたのは奇跡だから、もっと永瀬くんにバスケを教えて欲しいよ。

 この前は普通に誘ってみたら断られてしまった。なんとかして永瀬くんの首を縦に振らせることができないだろうか。

 また作戦を考えなくちゃ。

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