第4話 グルウェイグ、きたる
えらい美人がやってきた。
彼女はグルヴェイグと名乗り、ヴァン神族の女神だと言った。そして、一晩相手してやるから金をくれとも。
だからよそ者がアスガルドでやっていることをオーディンに言いつけてやることにした。
彼女はアスガルド中の男神に手当たり次第声をかけて金を搾取している。このままでは、アスガルド中の黄金が彼女に持っていかれるかもしれないし(とはいっても黄金自体は有り余るほどにはあるが)只でさえ単純バカなアース神族の男どもが骨抜きにされてしまう。
そして、あまり好きにさせているとあの女、年頃になった可愛い甥のバルドルにまで言い寄りかねない。
トールに関しては最近付き合いだした彼女のシフがしっかり尻に敷いてるから大丈夫だろう。
もちろん俺も声をかけられたが、応じるようなことはしていない。ああ、まあ、貞操観念の低さには自信がある。
だが、俺はもともとヨツンヘイムの巨人だったのに、オーディンの計らいで住みやすいアスガルドに住まわせてもらっているのだ。それなのにアスガルドの黄金で女を買うような事をするわけがない。
そもそも可愛いし乳もでかいが、俺の好みじゃなかった。俺は清楚系が好きだ。ちなみに巨乳も好きだが貧乳も捨てがたい。ついでに言うとこの前知り合ったシギュンとかもう本当にドストライクだ。
話はずれたが何にしても彼女の行動は少なくともアスガルドにいい影響を与えないと思う。
ちなみに、俺自身でも彼女にやんわり出ていくよう言ってみたのだが、完全に無視された。断るならまだしも、無視だ。胸くそ悪い。
「というわけで、テュール。ちょっと付き合ってくれよ。俺一人で行ったら多分胡散臭いって思われるし」
「グルヴェイグは胡散臭いけど…何故俺が同行しなきゃいけないんだ…」
「イタズラしすぎて言うことなすこと信じてもらえなくなった」
「ああ納得」
苦笑するテュールは、オーディンがアスガルドの王になるまでアース神族をまとめていた男だ。当時は豊穣の神だったそうだが、オーディンにアスガルドを明け渡す際、その勇敢さと冷静さを見込まれ軍神としてオーディンの側近となったらしい。
とはいえ、彼の扱いは、もともとアース神族の中心人物だったためか、ちょっと特別だ。
オーディンも一目おいているらしく、軍神でありながら普段は隠居とでもいうようにゆっくりと過ごしている。
実は黄金の林檎のおかげで若い姿をしているが、俺どころかオーディンよりもずっと歳上だったりする。
「まあ、いいよ。今回の事はたしかにアスガルド中の男神がうつつを抜かしてる。このままでは不味いからね。ロキの言う通りだ」
「流石テュール、話が分かる」
そして、ありがたいことに俺は彼と仲良くさせてもらってる。そのおかげで彼は俺の真面目な話をしっかりと判断して聞いてくれる。
早速ヴァーラスキャールヴの奥にある謁見の間、ヴァルハラにいるはずのオーディンを訪ねると、彼は世界を見渡せる玉座フリズスキャールヴにふんぞり返って世界を眺めていた。
俺達の事に気がつくと一度目を閉じて眉間を指で押さえたあと、立ち上がって嬉しそうに寄ってくる。
「ロキ、最近構ってくれないと思ったら、テュールと絡んでいたのか。お兄ちゃん寂しいぞ」
「オーディン、ロキはいつもトールとつるんでいるよ」
「心底どうでもいい訂正をありがとう」
両手を広げて寄ってくるブラザーコンプレックス男を手を突っぱねることで拒否し、テュールの後ろに隠れると、あからさまに残念そうな表情で肩をおとされる。
野郎に歓迎の抱擁なんてされたくねえっつの。
「それよりもだ、お前、さっきフリズスキャールヴに座ってたから知ってるだろ。グルヴェイグのこと」
「グルヴェイグちゃん?ああ、あの可愛い床上手の」
「手遅れかよ!!!」
グルヴェイグについて注意突起しようとしたのにこのスケベ主神、すでにもう手を出してたってのか!さすがだな畜生!
「ロキ、落ち着いて。オーディン、俺達は彼女の事について話しに来たんだ」
「なんだ、私が恋しくて来た訳じゃないのか…」
「そんなわけないじゃないかロキならともかく」
「俺も全裸の巨人がアスガルドを逆立ちで一周するよりお前を恋しいなんて思う可能性はねえぞ。皆無だ」
ああもう、テュールが話を戻してくれたのに案の定話がどんどんずれていく。いや、この件に関しては俺もその一端を担ってはいるんだが。しかしだ、俺達は真面目な話をしに来たわけで。
とりあえず一回咳払いをすると、テュールの背中に隠れながらだが、話を続けることにした。
「あの女、アスガルド中の男と寝ては金を搾取してやがる。美人だからってそれで金を払う野郎共もどうかと思うが、このままじゃ、あんま良くねえんじゃねえかと思ってよ。テュールと一緒に警告に来たんだよ」
遮られる前にさっさと言ってしまえば、オーディンはけらけらと笑い始めた。
最近の俺の行いが悪いせいか、ここのところオーディンはこの手の話を信じてくれない(その件に関しては完全に自業自得だと分かっている)
だから、テュールにも協力を頼んだのだ。
「ロキ、また悪戯かい?今回のもなかなか…」
「オーディン、ロキも俺も本気なんだ」
テュールの言葉に先程まで笑っていたオーディンがじっと黙る。そして、俺達の顔を見つめて少し考えた後眉間を押さえてため息を吐いた。
「うそだろ…」
「残念ながらほんとだ。俺だって誘われたんだよ。断ったけど」
「グルヴェイグちゃん…私だけだって言ったのに…」
「信じたのかよ」
つか、お前がさっきまで座っていたのは何だと。フリズスキャールヴで世界を眺めていたのだからグルヴェイグが他の男といちゃついている所を目撃してもいいはずだってのに。
なんでこういったピンポイントな所は見逃すんだ。
「グルヴェイグちゃん、なんて節操のない悪女なんだ!」
「お前は言う権利ねえだろ!」
自分の事は棚にあげて、とんでもない主神だな、ほんと。
まあ、こんなのは今に始まった訳じゃないし、言い聞かせたところでこの男は自分の行動を振り返るようなことは絶対にしないので、本題を続けることにしよう。
「もっと痛い目を見る前に彼女をヴァナヘイムへ送り返すべきだと思うけどな。あちらさんがどんな反応を示すか不安はあるけど」
「あまり、仲が良い訳じゃないからね。でも、ややこしいことになる前にそっと返品するのが今のところの得策だと思うよ」
テュールのやつ、穏やかにグルヴェイグをもの扱いしてるんだけど、ここはつっこむところなのだろうか。正直オーディンと違って変に真面目だから判断が難しい。
が、ここはとりあえずスルーで。
「ヴァナヘイムへ返すのはいいけど、私はその前にちょっと話がしたいかな」
「お前、まだそんなことを…」
「アスガルドの王であるオーディンをいくつもの股にかけるなんて本来なら打ち首ものだぞ!ヴァナヘイムに戦を仕掛けてもおかしくないレベルだろう!」
「急に沸点低すぎだろ!」
オーディンが地団駄踏んでいる様子に呆れたようにため息を吐くテュール。
多分彼は、何故こんな男に主神の座を渡したのかと悩んでいるんだろう。俺も血の契約を交わしたことを全力で後悔してるわ。こいつの血が俺ん中流れてるとかほんと無理。
しかし、ここで助け船。
それは、オーディンの背後に近付く、美女。
「あら、あなたより股が裂けまくっている女性が居るなんて意外だわ」
そっとオーディンの肩に手を置いて、耳元に囁くのは、主神の妻、フリッグだ。
整った顔をよせ美しく笑うが、見ているこっちとしては背筋が凍る。彼女に寄り添われたオーディンは先程とはうってかわってぴくりとも動かず、顔からさっと血の気が引いていくのが目に見えて分かる。
フリッグいたのにあんな大騒ぎしてたのかよ。普通にバレるの分かるだろ。
「ロキ、テュール、お願いがあるの」
「え、な、なに、なに?」
思わず裏返る声に、フリッグはいつもの優しい笑みを浮かべてオーディンの耳を掴む。
「例の彼女をつれてきてくれるかしら。私からお話しして故郷に帰っていただくわ」
そして、その一言を残し、オーディンを引きずって奥の部屋に消えていった。
「何ですか何で僕のところに来たんですか。迷惑なので帰ってください。暇じゃないんです」
ただいま見た目だけは可愛い幼顔をこれでもかというほどに歪めてこちらを見上げているのは、虹の橋ビフレストの前で門番をしている、ヘイムダル。彼は自分の意思で成長しきっていない姿を維持しているため、見た目だけは幼いが年齢は俺とあまり変わらない。しかし口を開けば悪態をつき、 視線を寄越してくるときはおもいっきり睨み付けてくるので可愛気なんてあったもんじゃない。
正直俺もこいつは苦手だし、俺達は犬猿の仲だと思ってる。
だが今はこいつの目に頼るのが一番だろうと判断して、彼の元にやってきたのだが案の定全力で拒否の言葉しか返ってこない。いや、まだ事情は説明していないんだが。
「お前の百マイルまで見渡せる目でグルヴェイグを探してほしいんだよ。フリッグの所まで彼女をつれていかなきゃならない」
「ヘイムダル、俺からも頼めないかな。フリッグはかなり怒っている。事態を長引かせるとどんどん良くない方向に進んでしまいそうなんだ」
「…だいぶ、面倒臭いことになってそうですね」
さすが。テュールが言うと物分かりが急に良くなる。
眉間に皺をよせた状態でため息を吐くと、彼の小さな体より大きなギャラルホルンを撫でてから俺とテュールを順に見渡すヘイムダル。彼はどうやら先を促しているらしい。せっかくだからここで畳み掛けることにしようか。
「オーディンがグルヴェイグと寝た結果、それがバレてフリッグの怒り心頭。あまり長引かせると死人が出ることになりかねねぇからヘイムダルに力を借りに来た。簡潔に述べるとこんなかんじだ。頼む、力を貸してくれ」
「ロキの言う通りなんだ。詳しいことを話すともっと面倒な事にはなっているんだけれど、急を要する事態だ、あとでちゃんと説明するから」
「…仕方ないですね」
心底面倒くさそうに答えてから、ヘイムダルは柔らかい紫の髪をかきあげる。そしてゆっくりとまばたきをすると、大きく深呼吸してから大きな目をしっかりと開いた。
ほんと、テュールが言えば素直に聞くんだよな。
「居ましたよ。堂々と男引っ掻けてます」
「子供がそんな言葉使っちゃだめだろ」
「僕とあなたはほぼ同じくらい生きてるんですよ見た目が幼いからと言ってバカにしないでください邪神ジャンキーのくせに」
「文字数違うしキしか合ってねえよ」
俺のツッコミにヘイムダルが鼻で笑いやがった。
しかしここは我慢だ。
ヘイムダルがグルヴェイグを瞬時に見つけてくれたお陰で早い段階で彼女を連行できそうだが、ここでもめたりなんかしたら本末転倒だ。
「案内してくれる?ヘイムダル」
「はい、もちろんです。テュール」
でもやっぱり、テュールがいてくれて良かったと本気で思った。多分俺だけだったらここで喧嘩がおっ始まってたところだ。
ヘイムダルにつれられてほんの少し移動すると、金髪の美女に言い寄られるトールの姿が目に入った。言い寄っている女がまさにグルヴェイグなんだが、トールといえば多分自分が言い寄られていると分かっていない。
鈍感にもほどがあるのがこいつの良いところだ。このドがつくニブチンをシフがどうやっておとしたのか興味はあるが多分聞いても教えてくれないんだろうな。
「とりあえず、様子を見てみようか。良いタイミングで二人に話しかけよう」
テュールの提案に俺もヘイムダルも頷き、物陰に隠れると、耳をすます。トールは今シフしか目に入っていないので、そうそうグルヴェイグに靡くこともないだろうし、脳筋ではあるがいちお、主神の息子としての自覚も芽生えてると思う多分きっと恐らく。
だから、できれば慎重に行動してグルヴェイグに逃げられるような事は避けたい。俺は一回彼女に帰るよう促したわけだし。
「ねえ、トール。わたし、黄金が欲しいの。金をくれるなら、なんでもしてあげるんだけどなぁ」
「そうか。だったらバルドルに会うといい。母上へのプレゼントに悩んでいたからな。アドバイスなりすれば、謝礼を「トール!!!ストップストップストップ!!!!」
だがしかし、二人の会話を盗み聞いている途中、とんでもない提案をしやがったトールに、俺は思わず飛び出した。
可愛い可愛いバルドルの所に促しやがったこの脳ミソ筋肉。こっちは絶対に会わせたくないってのに!
俺が彼女を追い出したい理由の半分くらいは正直それだったりするし。
「ロキ、丁度いいところに。 物乞いの女が来たんだが」
「わ、わたしが! 物乞いですって!!」
「トール!こいつはもっと質の悪い生き物だ!バルドルには絶対に会わせちゃいかん害獣だ!」
「ロキ!あなた、私の誘いを断っただけじゃなく、害獣扱いするって言うの!!」
「事実を述べたまでだ害獣!お前の狙いは分かってるんだよ!そりゃ、脳筋ばっかしか居ねえアース神族の男を骨抜きにして、しかも、金もごっそりヴァナヘイムに持って帰ったら、ヴァン神族のやつらは喜ぶだろうな!ヴァン神族の女一人に、アース神族の男が揃って好きにされたなんて最高の笑い話だ!」
ヒステリーを起こして頭に響く声で叫ぶグルヴェイグに、俺も勢い余って捲し立てる。
何が起こっているかも分かっていないトールは俺達を交互に見ていたが、そっと出てきたテュールとヘイムダルがそんな彼に事情を説明し始めた。
「とにかく、来い!フリッグが呼んでる!」
「は!?嫌よ!絶対に嫌!」
「妻子持ちに手を出した時点で覚悟しろよ!」
なんとなく事の次第を理解したらしいトールはやんやと怒鳴りながらグルヴェイグの腕を掴む俺と嫌がる彼女の間でむう、と唸った。
脳筋なりにどうすべきか悩んでいるのだろう。
それから、困ったように笑いながら俺達をなだめようとするテュールと、無表情で事を眺めるヘイムダル。だれか俺の手伝いをしてくれてもいいんじゃないかと思うが、相手が女神故にあまり手出ししたくないのかもしれない。
いや、ヘイムダルに限っては面倒くさいだけなんだろうけど。
「とにかく!腹をくくれ!遅くなれば遅くなるほどお叱りがキツくなるんだって!」
「そうだ、グルヴェイグ。俺達もあまり事を大きくしたくないんだ。だからこそ早く観念してほしいんだよ」
グルヴェイグの腕を引こうとした瞬間俺達を見ていたテュールに手を捕む形で制止され何だと睨みあげたが、彼が優しく苦笑するのを見て頭に上っていた血が落ち着いた。そうだ。怒鳴ったところでグルヴェイグを刺激するだけだ。
ああもう、俺としたことがなにやってんだよ。
「君はアース神族と戦争がしたいのか?でないなら、ここで叱られて穏便に帰ってくれ。別に俺達も君が憎い訳じゃないんだ。今まで通り平和に暮らしたいだけなんだよ」
「…私だって、黄金が欲しかっただけだもん」
「だったら行こう。俺も一緒にいてあげるから」
うつむいて黙ってしまったグルヴェイグに、テュールは彼女が納得したと確信したのだろう。頷いて手を離すよう促され、俺も素直に従う。
「さあ、グルヴェイグ。行こう」
テュールが出来る限りの優しい声で言う。
すると、彼女は大きな目でテュールを見上げ
「嫌よ」
と言っ…え、え!?え!!!!??
「フリッグの所には行くわ!でも!その前に!!ロキ!貴方がそこまで会わせるのを嫌がっていたバルドル?だっけ?彼を誘惑して黄金もがっぽりもらってやる!!私の誘いを断ったことを全力で後悔するのね!!」
なに言ってんの!?こいつバカなの!?バルドルに会うとかなに…
「てめぇぜったいさせねぇ!!!」
ふざけんな!!てめぇみたいなクソビッチにバルドルの筆下ろしなんかさせてたまるか!!今すぐ俺がこいつを捕まえて絞めあ………
…………こほん。
颯爽と逃げ出すグルヴェイグに、予想だにしなかったテュールは手も足も出ず、彼の説得に応じたと思っていた俺の反応も遅れてしまった。高笑いをあげ、遠く離れていくグルヴェイグを見送っているとだいぶ遅れてトールがわたわた慌て始め。
「いけない!バルドルに手を出したらそれこそ母上の怒りを買ってしまう!ロキ、追うぞ!」
なんかさ、もう、色んな意味で手遅れなんだなって、俺とテュールとヘイムダルは悟った。
「はあ、ビフレストまでヴァン神族が来たときはありったけの肺活量で皆さんへ呼び掛けますのでよろしくお願いします」
「うん、そのときは俺もヴァルキリーとアインヘリヤル達を連れて出陣するよ。…やだなぁ」
「ヘイムダル、俺も戦うからお前も戦えよ。正直お前、アース神族の中でもトップクラスで強いんだからな。畜生…」
「あー…そうだな。俺も、ロキやヘイムダルが一緒だと心強いぞ」
面倒くさそうなヘイムダルの次に心底嫌そうなテュール、それに続いて俺とトールの一言。どうやら脳筋のトールでさえグルヴェイグが今後どうなるかを理解したらしい。
恐らくグルヴェイグは今からバルドルに会うだろう。しかし、警戒しているフリッグが即座に捕獲し、息子にまで手を出された彼女は…そのあとはあまり考えたくない。そして、それを止めることなんて俺達には出来ない。
バルドルも大丈夫だろう。
今彼が居るヴァーラスキャールヴには、あの、普段は優しい、鬼神、フリッグが、ついているん、だから。
三日後判明したんだが、どうやらグルヴェイグはオーディンに槍で串刺しにされた後火炙りにされたとか。しかも、三回ほどお亡くなりになったが、三度甦ってヴァナヘイムまで逃げおおせたらしく。
槍で串刺しにしたのは本当にオーディンなのか疑問は残るが、直後にヴァン神族が戦争を仕掛けてきたのは紛れもない事実だ。
俺達は最善を尽くした。
だが、フリッグの怒りも最もなものだったわけで。
事の次第を見守った俺達はただ、今までの平和なアスガルドを取り戻す相談を始めることしかできなかった。グルヴェイグにはいつかたんまり礼をしてやらなきゃなんねえな。覚悟しとけよマジで。
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